シンポジウム成功

Posted by admin - 7月 22nd, 2009

22日の大英図書館での慶應150年記念シンポジウムは、13:30登録開始、14:00に私の司会で始まりました。冒頭でPeter Mathias教授が13日の誕生日に死去したCarmen Blacker博士(福澤研究のパイオニア)について紹介後、全員で黙とうしました。阿川理事、BL代表のM Milne氏のあいさつの後、Kristian Jensen博士によるHUMI-BLの協同プロジェクトに関して熱心な紹介がありました。

本番の講演は、Alan Macfarlane教授による福澤先生の再評価で50分、実に格調高いものでした。「三田評論」10月号あたりに翻訳が掲載されると思います。会場からの質問は、SMUのBonnie Wheeler教授夫妻からあり、ライシャワーとの比較についてレベルの高いものでした。コーヒー・ブレイク後は、坂本達哉教授がマクファーレン教授の講演への慶應側からの反応といった形で、ジョークに溢れた素晴らしい英語で行いました。

BLのHamish Todd氏の展示品紹介では、我らが慶應愛書家倶楽部からの寄贈本に関して謝辞が送られ、マンガ版「学問のすすめ」のスライドには爆笑が起こりました。シンポ全体に、愛書家倶楽部やHUMIへの評価の高いコメントが随所に盛り込まれており、感激しました。

最後にMathias教授から150年後に向けて、慶應を激励する力強いスピーチがあり、福澤本と日英関係資料の展示、ビュッフェ・レセプションと続きました。

参加者百名の中には、諸井由美、長嶋治子さんら高宮研究会卒業生の姿もありました。このシンポの準備には3年かかりましたが、BL側の全面的な協力で、通常なら5000ポンドかかる会場も無料で提供してもらいました。ワインの選択もBernard Quaritchのワイン通にお願いするなど、徹底した準備で、運営はうまくいったと思います。

私の知り合いでは次のような中世学者、図書館員の顔が見られました。Bonnie Wheeler (SMU), John Thompson (Belfast), Magaret Smith (Readig), Margaret Ford (Christie’s), Peter Kidd (BL), Timothy Bolton (Sotheby’s), Helen Cooper (Cambridge), Patrick Zutshi (Cambridge UL), Richard Linenthal (Quaritch), Nicholas Poole-Wilson (Quaritch), John Goldfinch (BL), David Wallace (UPenn), Ruth Morse (Sorbonne), Peter Jones (Cambridge), Eric Stanley (Oxford), Michael Brewer (Professor Brewer’s eldest son)

今回の成功は、背後で協力してくださった隅田英子さんはじめ慶應スタッフのチームワークのおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。

悲しい日

Posted by admin - 7月 21st, 2009

明日のBLでの慶應150年の国際シンポを前に、今日はBernard Quaritch書店を訪ねました。Piccadilly Circusから徒歩数分の便利な場所にあり、1975年以来ロンドンに来れば必ず訪れた19世紀以来の大古書店です。

昔、東京で国際古書店が開催されたとき、Bertram Rota氏の会長講演の通訳をやったことがあります。質問の時間になって立ち上がった老紳士が「昔QuaritchはGrafton Streetにあったが今もやっていますか」との質問をして、会場にいたQuaritchのPrinceことMr Richard Linenthalがたちあがって「今はGolden Squareにあります、ぜひお越しください」と答えたのを覚えています。

1971年にGolden Squareに移って38年、8月にはMayfairに見つけた建物に引っ越すというので、最後の機会で訪れたのです。それだけではありません。1978年から31年間ここに勤めたLinenthal氏が、シンガポール華僑の経営方針を受け入れられずに、近く店やめるという連絡があったからです。彼も苦渋の決断だったようですが、幹部たちにもショックだったようです。

いつものようにランチを近くのイタリア料理店でということで出かけたのですが、そこもマネジメントが替っていました。時代は移ろい。。。

Quaritchには創立以来の販売記録が残されており、先ごろ亡くなったCarmen Blacker博士の祖父が集めた製本の偽物のリストや、ウイリアム・モリスから来たおびただしい書簡アルバムなども残っています。こういったものは永久に保存しなければなりません。

同じことは日本橋丸善についても言えます。洋書販売の長い歴史をもつ丸善古書部のアーカイブは大丈夫でしょうか。DNPの傘下に入るのはよしとして、明治以来の重要な文化の記録が消えては困るのです。本の図書館の富田修二館長もいなくなり、ここは閉鎖されるでしょう。

「今度新しい店に来るときは、Richardはいないね、幸運を祈るよ」と言って別れたとき、部屋にいる誰もが寂しそうな表情を隠しませんでした。

さびしい話題だけでは何なので、先日孫の太朗に買った土産の写真をお楽しみください。

女王陛下の白鳥

Posted by admin - 7月 21st, 2009

昨日ウィンザー城のそばを流れるテムズ川のイートンとアビンドン間で、白鳥の実態調査が行われました。もともとイギリスの白鳥はすべて王室の所有で、許可がなければ捕獲もできません。最近まで王室はテムズ川の白鳥を食しており、そのために一年に一度調査してきました。

現在では保護のための調査になっており、女王は直属の白鳥管理者(現在はオクスフォードの鳥類学教授)と一緒にAlaskaという大型ボートでその調査に参加し、約1000羽を確認したそうです。200年前の記録ではもっといたそうです。

15世紀のロビンフッドのロマンスでは、白鳥を食べていますね。

この調査皇室の鴨の狩猟と似ていますね。今では狩ではなく、調査目的でやるそうですから。

月に着陸して40年

Posted by admin - 7月 21st, 2009

ちょうど25歳で大学院生でした。英文科でシェイクスピア劇を英語で毎年やっていたころです。その頃はもう夏休みだったので、英文科4年生の男子学生を連れて、南平にあった代ゼミの学生寮の理事長室に泊まり込んでいました。夜遅くまで文学や芸術を語り、朝はゆっくり起きて食べるという、今では考えられない一週間を過ごしていました。

そして40年前のこの日、11時ごろ起きてTVをつけた途端、アームストロング船長が月に降り立った瞬間でした。映像の美しいことに感動しました。

ちなみに演劇好きだった男子学生は、新劇に入ると言って、止めるのも聞かずに中途退学、その後彼の名前は一度も聞くこともなく今日に至っています。

7月20日(月)

Posted by admin - 7月 20th, 2009

新聞・TVは豚インフルのニュースがトップ。少しでも罹っている人はホリデイツアーに行かぬように警告、空港で搭乗を拒否する場合ありという。また妊婦が罹った場合は早産につながるとして、大騒ぎになっているが、何を今頃という感じだ。

22日のシンポに向けて10:30から大英図書館と打ち合わせ。少し早めに着いてラップトップを始動しようとすると、「高宮先生」と声がかかる。見れば以前にHUMIでも仕事をしていた馬場幸恵さん、東大でMAを取った後、お茶の水大の博士課程に在籍中、リーズの国際中世学会に出た後、ロンドン大学でやるアングロサクソン写本のセミナー(Michelle Brown, Rosamond McKitterick, Jane Robertsといった知り合いが教えるという豪華キャスト)に出席する前だという。University of HullのVeronica O’Maraにも出会っておしゃべりをした。

打ち合わせは1時間以内で終わり、三田からやってきた職員たちをBLのパブリック・スペースに案内。みなで簡単なランチを取った後、別れてホテルに戻って昼寝。外はよい天気だ。明日は大雨だとか。東京の最低気温にも届かないここは、涼しくて快適。

The Goring Hotel

Posted by admin - 7月 19th, 2009

ロンドンの日曜日は遅起きで始まります。朝食が07:30といつもより30分遅れだからです。いままでいたImperial Hotelをチェックアウトして、徒歩で2分のBedfod Hotelに移動しました。ともに同一経経営、Bedfordの方が規模が小さいのですが、ホテルの格は大きさでは決まりません。

今夜ディナーに招待されたVictoria駅そばのThe Goring Hotelは、石川君によれば5つ星ですが、おそらく部屋は50ほどです。しかし、ホテル内はどこもピカピカ、従業員の数もかなりのものです。

数年前に講演したKansas-CityのLinda Voigtz教授が、中世写本のファクシミリを見つけて送った私を、ここのをディナーに呼んでくれたのですが、アメリカ人らしく18:45にロビーで会ってドリンクもなしに始りました。一人前47.50ポンドの3コース・ディナーから、私はFried White Bate(白魚の唐揚げ)、Roast Duck, それにラズベリーケーキ、コーヒーを選びました。

当然話は写本、学者、学会のことばかり、Tony Edwards教授が6月に倒れ、手術したとのショッキングな情報もあり、ぎょっとしました。

正式のダイニング・ルームなのに、ジャケット着用はおろか、ひどいインフォーマルな姿の客にも失望した夜でした。

ミュージカル

Posted by admin - 7月 18th, 2009

昨日は大英図書館で仕事終わってから、またHenry VIII展をじっくり見ました。何度見てもさまざまな面が見れて、面白いですよ。

夕方Sohoで中華料理をたべ、劇場切符の販売所に行くと、Billy Eliottの当日券があるというので、購入したところ、劇場がVictoria Palace Theatreという離れたところ。地下鉄でGreen Parkで降りると、週末なのでVictoria線が動いていない。仕方なくそこからタクシーで劇場へ。

映画Little Dancerをミュージカル化したこの作品、音楽はElton John作曲、演出は映画The Hoursの監督、要するにゲイ・コンビ、バレエを扱ったミュージカルだけに、さまざまなほのめかしがあります。

サッチャー政権の不況下、労働条件を巡って警察ともめるニューキャッスルの炭鉱夫の息子Billyが、突然バレエの才能を示し、難問を乗り切ってロンドンのローヤル・バレエ学校に入るまでを描いた作品です。

超満員で最後は全員立ち上がるほどの興奮ぶりでした。すべてに合格点だが、とくに12歳の主人公を演じる少年が、バレエ、タップ、床体操、歌唱と、すさまじい才能を示していました。夢で一緒に「白鳥の湖」を踊る大人のバレエ・ダンサーもうまかったですよ。

これもお薦めです。日本にも来るでしょうかね。

John Waterhouse

Posted by admin - 7月 17th, 2009

Carmen Blacker博士の訃報に接したばかりですが、今日加藤誉子さんの御尊父ご逝去を知りました。ML管理人古川さんのご祖父の急死の報もありましたし、胸塞がる思いです。合掌。

今日は久しぶりにTate BritainにPRBの懐かしい名画を見に行ったのですが、不思議にもJohn WaterhouseのLady of Shalottの大きな絵が見つかりません。聞いてみるとRoyal Academyでの回顧展に行っているとの話、あわててFortnam & 、Mason前のBurlington Houseに行って20世紀のPRBと呼ばれるWaterhouseを堪能しました。不思議なことに、無料なのにがらがらのTateにも、有料なのに超満員のここにも、日本人の姿はほとんどdありませんでした。

20世紀にも関わらず、徹底してモダニズムを排除し、後期ロマン派のバーン・ジョーンズを継承する神話的世界に耽溺した頑固者、そのためつい20年前までは誰も顧みなかった画家Waterhouseは、21世紀になって大変な人気です。おそらく現在、日本の女子学生がもっとも好むPRB画家でしょう。

キルケやマーメイドに用いられた、海の濃緑色は、怪しく見る人をさそいます。漱石が「三四郎」の美祢子に言及させた「マーメイド」は2度わが国に来ましたが、よい作品です。7点描いたはずのLady of Shalottは、2点が展示されてました。

昨秋イギリスにいながらバージョーンズ展を見逃すという大失態を演じた自分としては、Waterhouseの数々の絵画に出あえて幸せでした。

ケンブリッジ

Posted by admin - 7月 16th, 2009

昨日は雨降らず暖かい一日で、ケンブリッジ訪問にも最適でした。こんかいのミッションは雄松堂書店の依頼で学生用の古書を大量に買い込む仕事、楽しいかと思ったら、自分用に買うのではないため、まったく違う自分がいました。

驚いたのは不破先生と私がBrewer夫妻に献呈した「騎士道とジェントルマン」がわずか6ポンドで見つけたことです。数十冊を3-200ポンドの範囲で買い込みました。中にはMorris, Defence of Guenevere初版で革装のものもあります。11月末に日吉で行われる中世学会での特別セールには、お小遣いを貯めて、早めにお越しください。Henry Newbolt詩集などは数ポンドでしたよ。

街を歩いていると、次々と友人から声をかけられました。Kari Ann Schimidt, Nigel Morgan, John Kerrigan, Jenny Fellows, David Hallなどです。

ロンドンに戻って、昔HUMIで良く通ったシンガポール・中華料理店で辛い夕食、9時半にバタンキューでした。

久しぶりに

Posted by admin - 7月 15th, 2009

今日は四季の気候がさまざまに変化する ロンドンで、Westminster Abbey と Victoria & Albert Museumに行ってきました。Russell SquareからWestminsterまで1時間強で歩きました。

前者は197年のCaxton 500年祭で来て以来です。60歳以上13ポンドという高い入場料、ところがオーディオ解説がJeremy Ironsの素晴らしいBritishで堪能しました。Poes’ CornerにCaxton Memorialが見あたらなかったので、そばの関係者に訪ねると、わざわざ現場まで連れて行ってくれましたが、工事中で見られず、その代わりにWillam Tyndale (英訳聖書の訳者)の記念碑に案内してくれました。ちゃんとした英語を話すといいことがありますね。

VAではやはりMorris関係の展示をじっくり見ましたが、ヴィクトリア朝の工芸の流れがよくわかりました。きっと諸井さんも一日過ごしたことでしょう。

13日にケンブリッジの福沢研究家Dr Carmen Blackierが85歳で死去したことをTimes で知りました。福沢研究のパイオニアでした。日本語では奥ゆかしく、英語ではアグレッシブに話す人でした。合掌。

奇しくも13日はBrewer教授の誕生日でもありました。

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