悲しい日
明日のBLでの慶應150年の国際シンポを前に、今日はBernard Quaritch書店を訪ねました。Piccadilly Circusから徒歩数分の便利な場所にあり、1975年以来ロンドンに来れば必ず訪れた19世紀以来の大古書店です。
昔、東京で国際古書店が開催されたとき、Bertram Rota氏の会長講演の通訳をやったことがあります。質問の時間になって立ち上がった老紳士が「昔QuaritchはGrafton Streetにあったが今もやっていますか」との質問をして、会場にいたQuaritchのPrinceことMr Richard Linenthalがたちあがって「今はGolden Squareにあります、ぜひお越しください」と答えたのを覚えています。
1971年にGolden Squareに移って38年、8月にはMayfairに見つけた建物に引っ越すというので、最後の機会で訪れたのです。それだけではありません。1978年から31年間ここに勤めたLinenthal氏が、シンガポール華僑の経営方針を受け入れられずに、近く店やめるという連絡があったからです。彼も苦渋の決断だったようですが、幹部たちにもショックだったようです。
いつものようにランチを近くのイタリア料理店でということで出かけたのですが、そこもマネジメントが替っていました。時代は移ろい。。。
Quaritchには創立以来の販売記録が残されており、先ごろ亡くなったCarmen Blacker博士の祖父が集めた製本の偽物のリストや、ウイリアム・モリスから来たおびただしい書簡アルバムなども残っています。こういったものは永久に保存しなければなりません。
同じことは日本橋丸善についても言えます。洋書販売の長い歴史をもつ丸善古書部のアーカイブは大丈夫でしょうか。DNPの傘下に入るのはよしとして、明治以来の重要な文化の記録が消えては困るのです。本の図書館の富田修二館長もいなくなり、ここは閉鎖されるでしょう。
「今度新しい店に来るときは、Richardはいないね、幸運を祈るよ」と言って別れたとき、部屋にいる誰もが寂しそうな表情を隠しませんでした。
さびしい話題だけでは何なので、先日孫の太朗に買った土産の写真をお楽しみください。





