Monthly Archives: 10月 2010

奈良三日目

関東学院大学の学生に仕切らせて奈良観光を兼ねた撮影の日にした。正倉院展が開催されている真っ只中だったので、とりあえず奈良国立博物館へ。二時間待ちという告知にびっくりするが一時間強で会場に潜り込めた。現代の携帯電話のデコ文化に通じる様な、宝石に彩られた琵琶のまわりは人だかり状態。列を避けて反対側に出ると、結構近くで覗き見ることができた。

博物館をでると、少し小雨が降ってくるのに気がつく。春日大社を目指して参道を上がる。昨日の唐招提寺行きの散策の影響か、筋肉痛を感じる。やはり運動不足だ。
灯篭や山中の景色などを学生はFUJIFILMの3Dカメラで撮影していた。参道の途中で学生がおきまりの鹿せんべいで鹿と戯れる。
お昼にしようと、近くで開催されれいたフードフェスタに向うが、あまりぱっとしない。東大寺入り口の蕎麦屋に落ちつき昼食。出るとまた小雨が降り出した。東大寺の大仏殿に向うと雨が大粒に。結局構内の大仏殿に向う広場ではレインコートをフル活用だ。
大仏殿に入り写真を取るが、ストロボを使わない方が綺麗に取れる。肉眼では暗い室内にうまく太陽の光を取り込んでいる大仏殿の設計がすごいのだと気がつく。
小さな大仏像をおみやげに買い込む。

雨の中、奈良公園内の浮島まで歩いて撮影して、学生とは解散。宿舎に戻る途中、春鹿の醸造元がやっている試飲場に偶然出くわす。海老根先生と目があった時には既に店内に潜り込んでいた。
400円でお猪口を買うと5盃試飲できるという趣向。しかし、結局6盃飲ませてもらうコースの様だ。このあたりの演出は商売の機微が見られる。最後に奈良漬をいただき、宿舎に戻る時には学生から最終号場所に着いたと言う連絡が海老根先生にあったのだと思う。
商店街の途中で海老根先生は学生の待つJR奈良駅方面へ。私は近鉄奈良駅方面に分かれる。今晩の宿、馬酔木に着いてシャワーを浴びると急に眠気が襲ってきた。

春鹿

春鹿

奈良二日目

桜亭の朝ご飯。
鮭とたまご焼き。豆腐の味噌汁に御新香。外国人バッグパッカーにはうけるだろうな。掘りごたつになるであろう居間で頂く。

ビデオのクリーニングテープをコンビニで探すが見つからない。宿で聞いたイオンのショッピングセンターを目指す。バスで四つ目位。
無事にテープ発見。クリーニング完了。ビデオデテープも交換して動き出す。

ついでに近くの名所を探すが、平城京跡は前回見たので、唐招提寺を目指すことにした。少し運動不足なのでこの際歩いてしまおうと決意。これは疲れる旅になった。

歩いて唐招提寺を目指すと、歩かないとわからな石碑や川に出会う。これは御褒美か?

600円の拝観料を払って中に入るとお馴染みの金堂だ。鮪やふき替えられた瓦を見て瓦道の鈴木社長を思い出す。彼らが解体した場所だ。

盧舎那仏座像、千手観音像、薬師如来像に久しぶりに再開。中学の修学旅行以来か?

金堂の鮪にはカラスが一羽ずつ止まり、瓦屋根には鳩が2羽。新しい瓦は気持ちが良いのだろうか?

奈良県文化会館にはバスで一本。既に当日券を求めるお客さんも会場入り口で見受けられた。
リハーサルも一通り終わり、あとはプロのアーティストにおまかせしよう。大学生の撮影部隊も一通り覚悟ができたようだ。

舞台が始まるともう、一人の観客として自分がいて十二分に楽しんだ。
金春流の能では、井筒、野守、三輪と奈良をテーマとする演目が展開される。昆曲は日本人にもわかりやすい三打白骨精。途中で日本語でのサービスもあり、気を使っていただいた演出。
舞太鼓と金大偉氏の映像演出は圧巻。音と映像が心の奥底に響き渡るような空間を生み出していた。

全体的には大成功イベントになったのではないだろうか?学生にとっても素晴らしい体験だったようで、後日感動の感想が寄せられた。

会場の撤収では私たちが最後まで残り、会場の鍵を占めるところまでお手伝い。関東学院の学生も良く手伝ってくれた。主催者側の仕事も少しはこなし、金大偉さんから誘われて反省会に突入。この日は銭湯に行くことはなかった。

奈良一日目

朝7時25分発のANAて関西空港に。
今回もマイレージでの旅。
残念ながらビジネスクラスの一つ後ろの席だった。

ルータをdocomoに変えたが、やはり空港及び奈良周辺では位置情報が取れない。フラストレーション。

11時前には奈良文化会館に到着。
NECのプロジェクターの到着を待つ。着払。
その後、関東学院大学チームが予定どおり到着。
楽屋でお弁当を食べていただく。

奈良県文化会館でのカレー

NECディスプレーソリューションズの竹内さんたちも到着。
ここで、ハプニング発生。
プロジェクターを置く台の天板が下ろされていないことが判明。
配送業者のミス。
プロジェクターが設置されないとリハーサルができない。
中国から来ている昆曲のチームはすぐにでもリハーサルを開始したい。
日本に来て最高の物を見せようとするプロ意識からだろうが、現場の監督達は大変な思いをしたことだろう。
尚美学園大学チームは予定の時間になってもまったく来ない。お弁当を食べながらのランチミーティングは実現しなかった。
会場での全体の顔合わせの時間でもすべてのチームが参加している状態までいかず、残念だ。
ここでもう一つのハプニングに気がつく。記録用に持参したビデオカメラがどうしてもテープを受け付けてくれない。ヘッドクリーニングが必要というエラー表示あり。しかたなくビデオはあきらめてカメラでの記録撮影に切り替えた。
現場ではいろいろと予期せぬ事が起こる事を実感した。

4時からレセプションを開始。関西の学生の新村藍さんにはリーダーを、阪口愛美さんはMCをお願いした。尚美学園大学はレセプションの模様をUstreamで配信。関東学院大学は現場を3Dで撮影した。

自治体の方々からのご挨拶の後、各出演者からの挨拶が始まる。

金春安明氏は日本語と中国語でご挨拶いただいた後に、演舞を披露していただいた。これをきっかけに、北方昆曲劇院からのご挨拶の後、超紹成氏も演舞をしていただいた。

あすか組からはこのイベントに参加できて歴史ある芸能と肩を並べる舞台に参加できることの感謝を表明していただき舞太鼓のあすか組も勇壮な演舞を披露してもらい、会場は盛り上がった。

金大偉氏はこのイベントが文化の融合のきっかけになることもアピールしていただいた。参加者の期待感はこれをきっかけにますます膨らんできたことだろう。

奈良県酒造組合からすばらしい日本酒の試飲会を開いていただき、会場が和んできた。

尚美学園大学から、この9月に奈良で取材した映像を元に編集した、学生が作る奈良の広報映像をご披露いただく。短期間での編集は大変だったろうが、素晴らしいプレゼンテーションをしていただいた。

関東学院大学からはNECのプロジェクターを活用して、やはりこの9月に撮影した、十津川村や金峰山寺、世尊時の3D映像の紹介があった。会場では3D眼鏡をかけて楽しんでいただく姿が印象的だった。

しばし歓談していると、相良ゆみさんの舞踏が披露される。いつもどこから出てくるのか予測させない手法を使うが、今回もまったく予期していない2階のコンコースからの出現。カメラは追いきれなかっただろう。玉置神社でも舞っていただいたのが、今回も会場の雰囲気をいっぺんに荘厳なものに変えてしまうような圧倒的な存在感だ。

しばし、歓談して、翌日のイベントの期待値をあげつつ、レセプションは終了した。

尚美学園の定平先生から飲み会に誘われたが、宿舎までは近鉄奈良駅から商店街を2つ超えることになる。近鉄奈良駅まで戻る気力もうせ、翌日のこともあるので、静かに宿舎で過ごすことに。宿舎は今年の夏にできたばかりの桜亭。民家を改造したゲストハウスだ。関東学院大学の海老根先生と茶室を客室にしたと思われる少し狭めの部屋に。
部屋にはお茶の道具があった。外国人観光客向けにはオプションでお茶の体験も提供しているそうだ。なかなかのアイデア。和服の貸し出しのサービスもあるようで、外国人観光客に口コミで噂が拡がっているようだ。近くの居酒屋で簡単に食事をしてコンビニよるとおいしそうな日本酒があり、つい買い込んで部屋に戻る。一杯やっているところに金大偉さんもリハーサルから帰ってきた。関東学院の教員が3人集まったということで、金さんから近くの銭湯に行こうと誘われる。ゲストハウスにはシャワーしかないので行って見ることにする。ゲストハウスのおかみさんからは親切に石鹸とシャンプーそして桶を貸していただき、久しぶりの銭湯だ。ほぼ私たちだけの貸切状態の中で、今後の活動についてのアイデア出しまでできてしまった。最後におきまりのコーヒー牛乳を飲んで宿に帰った。

桜舎