学習院大学で「書体から考えるコミュニケーション」の授業

2017年1月16日(月)、学習院大学計算機センター久保山哲二教授の授業に協力という形で、弊社代表取締役の柳沢富夫が「フォントの四方山話」をさせていただきました。

今回は、学習院大学計算機センターの久保山哲二教授(博士(工学))の授業の一環として実施されました。久保山先生は日頃から学生たちに、論文作成やレポート等の提出物に書体の選定の注意点を伝えていらっしゃいますが、あらためて、大日本印刷株式会社hontoビジネス本部から佐々木愛氏を招聘し、文字と取り組む企業人の立場から、コミュニケーションにおける書体の重要性を伝える、というねらいでした。

まずは久保山先生からのイントロダクション。

今回の授業を企画してくださった大日本印刷株式会社GMS研究所の下野秀勝氏からのご挨拶。

 

続いて弊社の柳沢によるプレゼンテーション。「ケルズの書」「グーテンベルグ聖書」など西洋カリグラフィーの歴史から、学生たちが興味を持ちそうなエピソードを紹介、17世紀に作られた稀覯本の現物も披露しました。

いよいよメイン講演。佐々木氏による文字愛あふれる講演は、学生たちの知的好奇心を大いに刺激したようです。

終了後、学生たちから寄せられた感想を久保山先生から拝見させていただきました。フォント23000字に丸2年かけて1文字1文字すべて手作業という話を聞いて、これまで何気なく使ってきたが、きちんと場や目的に則した文字の使い方をしたい、など、作り手の苦労を知ることや、ものの背景にある意味や理由を知ることで、意識が変わったという感想が多数でした。弊社からお話した部分についても、書体によっていつ書かれたか分かるという話が印象深い、紙のサイズの白銀比率についての話が大変興味深い、などの感想をいただき、中には、西洋カリグラフィーが可愛いくて自分も書けるようになりたいと思った、という学生もいました。