岩手町ツアー2日目とワークショップ

五反田バレー地区のIT企業など東京の7企業/団体から10名が、SDGs未来都市・岩手県岩手町の未来を応援するために馳せ参じたツアー2日目。

ICT(情報通信)技術を活用した非接触型宿泊施設「モビリタコート岩手」では、朝食は各部屋のボックスに届きます。地元のパン屋さんの美味しいパン、県内の牧場のヨーグルトなどで、朝から豪華な食事に感動でした。

朝食後、周辺を散歩。昨夜の星空も素敵でしたが、朝露に光を浴びた彫刻作品が自然の緑色の中に配置された光景、そして向こうに見える岩手山の山頂が雪をかぶった姿は、これまた美しいものでした!

朝9時スタートで、また町が用意してくださったマイクロバスにレンタカーと自家用車を連ねて、2日目の午前中は廃校視察ツアーです。

  • 旧・浮島小学校
  • 旧・水堀小学校
  • 旧・東部知中学校

という3校を見学します。

まずは、浮島小学校。木の温もりを感じる校舎は、いわて沼宮内駅と西根インターチェンジの中間に位置して比較的アクセスも良さそうです。周囲はなだらかで、水田、畑、酪農が点在しています。

ここには、片桐宏典さんの石の作品「浮島の夢~蜃気楼」があります。そして、中には大量の土器や出土した郷土品が保管されていて驚きます。貴重な資料なので、ぜひ整理して地域の歴史文化研究に活用できると良いですね。当時の小学生が受賞したコンクールの表彰状や、パソコンルームのホワイトボードなど、そのままになっていて、ここで学んでいた小学生たちの生き生きとした声が今にも聞こえてきそうです。

続いて、水堀小学校。いわて沼宮内駅から車で10分、国道4号線に隣接しています。積雪や災害の影響を受けにくく、安定した物流環境が確保できそうとのことです。光ファイバーが整備されているので、高速通信環境も可能です。

ここにも石の作品、荻野弘一さんの「木人」です。何やら動き出しそうな可愛いキャラクターですね。

この後、途中で「北緯40度公園」に立ち寄りました。人間が健康的で文化的な生活を営む上で最も適しているといわれる北緯40度線は、岩手町を南北に走るJR東北本線の御堂駅ホーム南端と、これに平行する国道4号線を東西に通過しています。 北京、アンカラ、ナポリ、マドリード、ニューヨークなどの都市が、この線上にあります。その北緯40度の名を冠した公園は、冬なので少し殺風景に見えましたが、音楽フェスなどをしたら楽しそうだと思いました。

ここにも、ジョルジェ・チパヤック「OBLAK(雲)」という石の作品がありました。

最後に訪ねたのは、東部中学校。小学校と隣接しているため、2校合同での大型利用を想定する事業への活用が期待できます。葛巻町と隣接する岩手町東部地域の中心に位置し、バス路線も整備されているそうです。中学校なので、技術室などの特別教室もあります。

もちろん、ここにも石の彫刻。郭徳茂「錛(かんな・くわ)」という作品です。台座に彫り込まれているイラスト(?)は謎。

廃校ツアーを終えて、午後のワークショップ会場である岩手広域交流センター「プラザあい」へ。JR東北新幹線とIGRいわて銀河鉄道の駅舎に直結の3階建ての駅ビル、2階の会議室が会場です。

会議室へ入ったら、地産のお弁当で昼食。

献立を一つ一つ解説してくださった遠藤智恵子さん、ありがとうございます!

ワークショップでは、東京の7企業/団体からの10名が5名ずつ2テーブルに分かれ、それぞれに地域から数名ずつ(議員、農家、IT企業の方など)と、社会課題に取り組む株式会社sinKAの若手にも入っていただき、岩手町の課題を分析し、住民にとっての豊かな暮らし、SDGs・地域活性のためのアイデアを共創しました。

結論として2テーブル共通のゴールは、「データを蓄積し、地域の資産にする」データの利活用によって、地域で暮らしたくなる環境を創出する、というところに集約されました。

テーブル1:地域課題の解消(ワークショップ参加者からの意見整理)

  • 教育/廃校施設
    • 経営者やエンジニアなどストレスフルな環境で勤務する ビジネスパーソンにワークショップからの バイタルデータのを取得・蓄積
    • IT人材育成、CoderDojoのようなテクノロジー、アート等に 楽しく触れられるイベントや講座を定期的に開催 (STEAM教育イベント参加者の教育効果データ)
    • 品川/五反田バレーの企業等との産業交流拠点施設(未利用スペースを活用した五反田バレー等との共創活動)
  • 防災
    • 防災拠点 廃校施設利用 メッシュWiFi活用
    • 防災時のデジタルマップによる災害箇所SNS連携、支援側の情報連携利用
  • マイナンバー普及
    • 岩手町あいポイント/商店街カードを代替 一本化し、 マイナンバーカードのiDMなどを使って、SDGsポイントを発行。
  • 中山間地域へのサービス提供
    • 引きこもりがちなゲーム中毒の子供をユニコーンキッズに育成 →メタバース情報も地図情報に連携
    • 買い物難民を対象とした公民館等へのドローンによる 配送サービスを連携サービス(NTT東日本/西濃運輸が企画課と調整・協議中)
  • 医療・ヘルスケア
    • ワーケーションや研修はイベント的に 農業体験ツアーとかを組み合わせたり、
    • 自然に触れ合えたり星空が見えることで (主にIT系企業の)メンタルヘルス改善を狙う。

<テーブル1:まとめ>

  • 魅力的な教育と選択肢のあるまちへ
  • 小さな交通(二次交通)による充実

テーブル2:地域魅力の発信(ワークショップ参加者からの意見整理)

  • リビングラボ(SDGsプロジェクト)
    • 「すべてのSDGsプロジェクトを可視化する→ポイントシステムの検討」
    • DNPの地図を活用した情報のインターフェース化
    • (情報の集約がshinkaの村山真子達の女性同居チームに起きている)
    • 健康ポイントの見える化
    • プロジェクト参加の証明書、ポイント化
    • 町民の様々な活動、企業等の活動を> メニュー化。
    • デジタルアイデンティティウォレットの活用、助け合いアプリ
    • NFTの活用 広域連携、ブロックチェーンによる信用信頼
  • 企業参加
    • 開発/試行中のデジタルマップを基盤サービスの一つに。
    • あらゆるデータをマップに集積
  • 農業(食)
    • 規格外の野菜を美味しく食べて もらって有効活用・ファン化など
  • 地域資産(祭・地理・植物・アート)
    • 人口減により祭りの維持 ⇒外貨獲得のため、お祭りのNFT化と広域連携
    • 紫色(ブルーベリー、ラベンダー [北緯40度]薔薇)を中心とした 街づくりと情報発信

<テーブル2:まとめ>

  • ポイント・デジタルを活かした経済循環
  • 地域資源活用

これによって、本質的な要求=「安心して暮らせる環境(地域やコミュニティへの信頼感)」「アクティブな環境(暮らしたくなる環境)」「最適化した仕組み(場の整備・共有・使い勝手の向上)」「選択肢の充実(自分で選んだ充実感)」「トライしやすい環境(次のサービスが生まれてくる場)」の満足を図ります。

具体的には、

  1. SDGsポイントシステム
  2. 廃校活用(品川・五反田バレーの企業等との産業交流拠点施設)

に向けて、今後もチームで連携して取り組んでいこう!という機運が盛り上がりました。

17時。ツアーの全行程を終えた一行は、ワークショップ会場と直結のいわて沼宮内駅から各々帰路につきました。寒い季節の岩手でしたが、心は熱く燃えていました!