先週のオンラインワークショップに続いて、5月27日(土)・28日(日)の二日間に渡り、DNPプラザにて、いよいよ高校生たちのゲーム制作が行われました。
このイベント、Cross-Pacific Game Jam は、ニュージーランドのダニーデン市が主催し、Te Pukenga (New Zealand Institute of Skills and Technology)、Te Pukenga オタゴポリテクニク(工科大学/専門学校)、Manapou ki te Ao (Education New Zealand) が協賛しています。
有限会社ラウンドテーブルコムの柳沢・木村が日本側ファシリテーターを務めました。
日本時間午後3時、DNPプラザに日本の高校生たちが集結しました。三重県・佐賀県の高校生はzoomで繋がりました(東京からも若干名がリモート参加)。日本と3時間の時差があるニュージーランドの高校生たちは、9時間前の朝9時(ニュージーランド時間)から制作を開始しています。
会場に到着した高校生たちは、ダニーデンから提供されたイベントTシャツ他の豪華グッズを受け取り、席に着きました。(リモートのチームには事前に郵送しています)
二カ国そろったところで、最初のプログラムは、ゲーム/メタバース会社 JP GAMESのグ ローバルアカウントマネージャー川島健氏からのプレゼンテーションです。JP GAMES はニュージーランド・ダニーデン市のゲーム・テクノロジー分野を推進する CODE とパートナーを組み、友好的なコラボレーションを続けています。(ダニーデン市経済開発ユニットアドバイザーでCODE創立メンバーのChanel O’Brien氏も来日しました)
続いて、東京会場4チーム、リモート3チームの7チームに分かれ、ゲームのコンセプトづくりが始まりました。ダニーデンの Te Pugenga オタゴポリテクニクに集まっているニュージーランドの高校生たちも、同じく7チームで制作を進めています。
コンセプトづくりのポイントは三つ。
● ロケーション
● キーとなるアクション
● そのアクションをする必然性(ストーリー)
一つ目のロケーションは、先週の地域文化紹介で出てきた、二カ国の魅力的な場所の数々がヒントになります。
二つ目のキーとなるアクションは、たとえば二次元ゲームで「ジャンプする」、探究型のゲームで「何かを収集する」など。
そして重要なのが三つ目のストーリーです。なぜプレイヤーはそのアクションをするのか。たとえば、お城でお姫様が塔のてっぺんに捕えられていて、プレイヤーはお姫様を救いに行くためにジャンプしなければならない、など。
ゲーム制作の初心者は、つい壮大な構想をしてしまいがちです。たとえば高校生がゲームに五つのレベルを設定しようとしていたら、レベルは一つで充分というのがファシリテーターからのアドバイスです。今回は二日間(日本チームは一日半)で一分ゲームの完成を目指します。小さくても完成体験が、次の制作への意欲に繋がります。
頭がパンパンになったところで、ダニーデンから提供された、ニュージーランド料理のKIWI Kitchen からのケータリングおやつ。(リモートのチームには事前にニュージーランドのスイーツクッキータイムを郵送しています)そのボリュームと美味しさに疲れを忘れ、またゲーム制作に戻って、18時で解散、家路に向かいました。
日曜日は早朝8時から、再びDNPプラザに戻って、いよいよ本格的なつくり込みに入りました。
今日はなんと朝おやつ・ランチ・午後おやつと、KIWI Kitchen からのケータリングは三食!ゲーム制作に欠かせないエネルギー補給は完璧です。
今日の企業プレゼンテーションはニュージーランドからで、日本の高校生たちはzoomで視聴しました。(通訳あり)
プレゼンターは、ダニーデンを拠点とするゲーム開発スタジオ Balancing Monkey Gamesのマネージング・ディレクター Anna Barham氏です。人事・採用に関するお話もあり、日本と比べながら興味深く拝聴しました。(通訳あり)
チームごとのゲーム制作の進捗は、ディスコードで共有しながら、お互いにプレイし合って楽しみつつ、時には辛口のダメ出しもありで、切磋琢磨の充実した時間が過ぎていきます。
そしてついに、日本時間の夕方5時(ニュージーランドでは夜8時)最終成果発表会の時間となりました。
2カ国の全員がzoomで再結集。1チームずつ、発表者と画面共有者が絶妙なチームワークで自分たちの傑作をアピールし合います。
ニュージーランドの高校生たちは、Unityを使いこなして 3Dゲームを繰り出してきて、さすがだと思いました。何より、全員が心からゲーム制作を楽しんでいる雰囲気がzoom越しに伝わってきて、つくり手が楽しむことがプレイヤーに楽しんでもらえるゲームをつくる基本というのをあらためて教わりました。
日本の高校生たちはゲーム制作の初心者がほとんどでしたが、ScratchやGameFrootを使って、完成度の高いゲームをつくってくれました。地域文化の要素をゲームに入れることや、中には社会課題解決をテーマとするゲームに挑戦したチームがあったのも、日本の高校生は素晴らしいと思いました。
最後に、全員にサプライズ・ギフトで、Steam用ゲーム券が配布されました。
初開催のイベントでファシリテーターとしても学びがたくさんありました。この素晴らしいイベントを日本中のもっと多くの高校生に知ってほしい、参加してほしいと思います。
早くも来年の再会が楽しみです。