函館で高専生+中学生にメタバースワークショップを提供

2024年3月16日、函館工業高等専門学校 STEAM教育推進室からの要請で、有限会社ラウンドテーブルコムからメイン講師1名、アシスタント講師1名が出講し、函館工業高等専門学校の高専生5名と中学生2名(公募)を対象に、「メタバースを知り先をいく!」ワークショップを実施しました。

学生及び教職員と企業との産学連携を通じて地域の産業発展に寄与するとともに、アントレプレナーシップ及びSTEAM教育を推進するための共創プロジェクトとして、「メタバース空間デザインワークショップ」の実施によりキッズイノベーター育成に寄与するのが目的です。

このワークショップでは、

・地域から世界へデビューできるWeb3クリエーターを目指す意欲の獲得
・メタバース空間開発の体験
・メタバース空間での行動倫理の理解
・ゲーム空間開発の意欲の獲得

が可能です。

1〜3限目は高専生を対象に、1限目:メイン講師からWeb3(メタバース、NFT、DAO)プロジェクトに関する基本的な知識のインプットの後で、2限目:個人でメタバースで遊んでみる・個人で制作する体験として高専生は1人ずつウェブ上に公開されている無料ソフトRoblox Studioを使ってメタバース上で自由に空間をデザインする体験を行いました。3限目:プロジェクト書類の書き方について基本的なレクチャーの後で、地域創生を意識したメタバースの活用方法のアイデア出しと発表とチームによるメタバース構築を行いました。

4〜5限目は中学生が参加、高専生がメインとなって地域の中学生向けメタバースワークショップ「メタバースでまちづくり」を運営、講師陣はサポート役となりました。最後に各チームから成果発表を行いました。

ワークショップの事前と事後のルーブリック調査では、

中学生・高専生の参加者平均で「創造力」「協働力」「実践力」の全てにおいて、メタバース空間デザインワークショップ参加後に自己評価が上がっていました。特に「創造力」での評価向上が大きかったです。

特に中学生では「創造力」の自己評価向上が著しかったです。理由として考えられるのは、一つには本ワークショップに参加するまでこのような創造に挑戦する機会がなかったため、もう一つには高専生がうまくリードして中学生のアイデアを作品に採用したためと推測されます。こうした非日常の体験と、異年齢の協働学習が良い刺激となり「楽しかった」「参加してよかった」という肯定的な感想につながった可能性があります。

ほとんどがゲームを遊んだ経験はあっても制作は初心者でしたが、直観的に理解できるソフトのためスムーズに創作活動に入ることができました。

一つのチームは函館の抱えるSDGs課題も踏まえて昆布産業に焦点を当てた世界を構築、もう一つのチームは函館の名所や名産を独自の視点で表現した観光の世界を構築、どちらも自由な発想による創作ができました。

高専生と中学生のコミュニケーションが活発に行われ、中学生は高専で行われている創造的な学びの環境を体験しながらイメージできて楽しんでいました。

高専生・中学生いずれも自由にメタバース空間を創作する時間の集中度は非常に高いです。

同じソフトを使って限られたパーツしかない中でもかなり多様な表現ができることがわかりました。

高専生はさらにプロジェクト経験を通してプロジェクト書類について深く学ぶと、より社会で役立つ実践的な学びとなるでしょう。

メタバースの楽しさは実感してもらえたので、次のステップとして地域の人たちとの交流の場を生徒たちがメタバースでつくれるレベルを目指します。

このプログラムは、特にルーブリックのところが高専の先生に注目していただき、今後は全国の高専に広がりそうです!