2026年2月13日、品川区立宮前小学校様にて、SDGs-PBL「未来を明るくする商品ってどんなもの?」の出張授業を実施しました。
これまで中学生・高校生を対象に展開してきた本プログラムですが、今回は初めて小学校、しかも公立の特別支援学級(1〜6年生混在)での実施となりました。
当日はインフルエンザの流行もあり、参加児童は11名ほどでしたが、少人数ならではの積極的な姿も多く見られ、非常に有意義な時間となりました。


本プログラムの位置づけ
本単元は全7回構成です。
最初の2回は、担任の先生による「SDGsとは何か」という基礎理解の授業が行われました。
今回の出張授業は第3回にあたります。
この後、先生方による商品開発の深掘り授業を2時間程度行い、3月3日には再び私たちが伺い、子どもたちが開発した商品をアプリ上で実際に売り買いする体験ゲームを実施する予定です。
単なるアイデア発表ではなく、「設計 → 改善 → 体験 → 振り返り」までを含めた実践的なPBLです。
品川区独自教科「市民科」との接続
今回の取り組みは、品川区独自の教科「市民科」の授業として実施されました。
市民科は、知識の習得にとどまらず、社会の一員としてどのように考え、どのように行動するかを育むことを目的とした教科です。地域や社会とのつながりを重視し、実社会と結びついた学びを展開している点が大きな特徴です。
今回のSDGs×商品開発PBLは、まさにその趣旨に沿った実践です。
社会課題を知り、アイデアを生み出し、実際に「町に並ぶ商品」として設計し、売り買いを体験する。この一連の流れは、「市民として社会に参加する」という学びを具体的な形にするものです。
自治体独自の教科と連動しながら、アプリを活用した体験型学習を実施できたことは、大きな意義があると感じています。
今回の授業の目的
今回の出張授業の目的は、「完成させること」ではありません。
子どもたちが、
- SDGsと自分のアイデアがつながること
- 商品は“社会をよくする手段”になり得ること
- 自分にも社会を変える力があること
を実感することにあります。
授業では、まず個人でアイデアを出し、その後グループ(または個人のまま)でアイデアを組み合わせ、主役となる商品を決めました。
特別支援学級という特性上、グループ編成は固定せず、個人で進める児童や教員サポートのもとで進めるグループもありました。それぞれの特性に応じた柔軟な設計としました。


小学生・特別支援学級で実施する意義
本プログラムはこれまで主に中学生・高校生を対象に実施してきました。
しかし今回、小学校で、しかも1年生から6年生までが混在する特別支援学級で実施したことには大きな意義があります。
第一に、「社会課題を考えること」は決して年齢に依存しないということです。
子どもたちは、自分の生活に根ざした具体的な視点から、「だれがうれしいか」「何がよくなるか」を真剣に考えていました。
第二に、「できる・できない」ではなく、「どう関わるか」という学びの在り方です。
話すことが得意な子、書くことが得意な子、アイデアがどんどん出る子、静かに考える子。それぞれが役割を持ち、自分なりの形で参加していました。
SDGsを“知識”として学ぶのではなく、“自分の行動と結びつける”経験は、早い段階からこそ意味があります。
L-TanQのデモンストレーション
授業の終盤では、L-TanQアプリのデモンストレーションを行いました。
子どもたちが作った商品が、実際にアプリ上に登録され、SDGsポイントが設定され、「町に並ぶ」ことを具体的に示しました。
抽象的な「社会に役立つ」ではなく、
「自分の商品が、だれかに買ってもらえるかもしれない」
というリアリティが、子どもたちの表情を一段と真剣なものに変えていました。



3月3日へ向けて
今後、先生方による商品開発・ブラッシュアップの時間を経て、3月3日には、実際にアプリを使った売り買い体験ゲームを行います。
子どもたちが設計した商品が、SDGsポイントとともに町に並び、クラス内で経済活動を体験します。
社会・経済・環境を統合的に考える学びを、小学生の段階から実践的に体験する。
それは、単なるキャリア教育でも、単なる環境教育でもありません。
「社会の一員として考え、行動する力」を育む学びです。
初めての小学校・特別支援学級での実施は、私たちにとっても大きな挑戦でした。
しかし、子どもたちの素直で自由な発想は、むしろこれまで以上に可能性を感じさせるものでした。
今後も、年齢や環境に関わらず、誰もが社会づくりに参加できる学びの機会を広げていきたいと考えています。
