【活動報告】白百合学園中学校3年生対象「探究計画づくりワークショップ」を実施 ― 5つの調査手法とワールドカフェで深める探究の第一歩

2026年10月24日(土)、白百合学園中学校(東京都千代田区)の中学3年生(約180名)を対象に、高校での本格的な論文制作・探究活動に向けた導入プログラム『探究への第一歩 ~5つのアプローチで世の中の「なぜ?」を解き明かす~』を実施いたしました。

有限会社ラウンドテーブルコムでは、同校の高校生を対象とした論文制作プロジェクトの支援を4年前より継続しており、中学3年生向けの導入講座・ワークショップの実施は昨年度に続き2年目となります。

今年度は「1日完結型」の特別プログラムとして、前半に講堂での全体講義(60分)、後半に各教室でのグループワークショップ(155分)を行いました。

■ 前半:導入講義「探究への第一歩」(講堂)

前半の講義では、弊社サステナビリティ推進室の木村京子より、日常の素朴な疑問や好奇心である「探求(Quest)」から、客観的な根拠(データ)を集めて自分たちなりの答えや工夫を導き出す「探究(Research)」へと進化させるプロセスについて解説しました。

胃潰瘍の原因究明(ピロリ菌の発見)やノーベル賞につながる日本の研究者のエピソード、さらに身近な自然環境の音データを用いた音楽生成などの実践例を通じ、「当たり前を疑い、データを集めることで新しい価値が見えてくる」という探究の醍醐味を共有しました。

その上で、探究を進めるための「5つの調査手法」について、それぞれの特徴と研究計画を立てる際のポイントを解説しました。

  1. 文献調査: 先行研究を知り、「自分たちにも当てはまるか?」とクリティカルに対話する
  2. アンケート調査: 調査コストや人数の限界を踏まえつつ、回答者が迷わない選択肢を工夫して身近な実態を数値化する
  3. インタビュー調査: 「狭く深く」当事者や専門家に話を聞き、深掘り質問で「なぜ?」に迫る
  4. 実験・観察: 理科実験だけでなく、行動や環境の定点観察・比較によってデータを取る
  5. オープンデータ調査: e-StatやRESAS、理科年表などの公的統計データを活用し、大きな視点で比較・分析する

■ 後半:探究計画づくりワークショップ&シャッフル共有(各教室)

後半は4つのクラスに分かれ、各クラスに割り当てられた1つの共通テーマに対し、4〜5人のチームごとに異なる調査手法(5種のうちいずれか)を担当して「探究計画書」を作成するワークショップを行いました。

【今年度の4つの探究テーマ】

  1. 修学旅行の行き先として、どこがふさわしいか?
  2. 夏服と冬服、切り替える時期はいつが適当か?
  3. 中学生のスマートフォン利用は、学習効率や友人関係、心身の健康にどのような影響を与えているか、そして私たちはどう向き合うべきか?
  4. 中学生の睡眠時間や質は、学習効率や集中力、日中の気分にどのような影響を与えているか?より良い睡眠習慣を身につけるには?

生徒たちはロイロノートの共有ノート機能を活用し、「全員が書記・全員が発表者」というルールの下、仮説の設定から具体的な調査計画(5W1H)、予想される結果、そして「単なる学校への要望ではなく、データから導き出す自分たち自身のアクション(知恵)」までを熱心に議論しました。

計画書の作成後には、ワールドカフェ方式による「シャッフル共有タイム」を実施しました。異なる調査手法を担当した生徒同士が新しいグループを作って互いの計画を発表し合うことで、「同じテーマでも手法によって見える景色が全く違うこと」や「複数の手法(例:アンケート×オープンデータ)を組み合わせることでより説得力のある研究になること」を体感する時間となりました。

■ 生徒たちの気づきと講師講評

終盤には、シャッフル共有で得た気づきを各自がロイロノートに記入・提出し、それをリアルタイムで参照しながら講師によるクラス別講評を行いました。

ワーク中の生徒たちからは、

  • 「情報をすべて調べきってから実験やインタビューに進むべきなのか?」
  • 「文献調査とオープンデータ調査はどう違うのか?」
  • 「まだ行っていない修学旅行について、どうすれば『実験・観察』ができるのか?」

といった、実際の研究者が直面するような本質的な疑問が数多く生まれました。

講評ではこれらの疑問に対し、「調査と実験は一方通行ではなく往復するものであること」「完成した料理(他者の考察・文章)を読むのが文献調査であり、生の食材(統計数値)を自ら調理・分析するのがオープンデータであること」、そして「未経験の出来事でも教室内でのシミュレーション実験や過去の写真記録の観察によってデータ化できること」をお伝えしました。

また、テーマ設定によって「議論の入り口の盛り上がりやすさ」と「因果関係としての深めやすさ」に違いが出たことも共有し、身近な疑問を「〇〇は△△にどう影響するか?」という比較・検証可能な問いへと進化させる重要性についてフィードバックを行いました。

長時間のプログラムでしたが、生徒の皆さんが最後まで高い集中力を保ち、多様な視点から研究計画を練り上げる姿が非常に印象的でした。本ワークショップでの体験が、今後の探究活動や高校での論文制作に向けた確かな土台となることを願っております。

最後に、本プログラムの実施にあたり、事前準備から当日の運営まで多大なるご協力をいただきました白百合学園中学校の先生方に心より御礼申し上げます。

【開催概要】

  • 日時: 2026年10月24日(土) 8:30〜12:20
  • 対象: 白百合学園中学校 第3学年(4クラス・約180名)
  • 内容: 論文作成導入講義および探究計画づくりワークショップ
  • 企画・運営・講師: 有限会社ラウンドテーブルコム(国際的学習プログラム研究委員会/サステナビリティ推進室)