【開催レポート】品川区立冨士見台中学校にて「SDGs×地域通貨」探究ワークショップを2回にわたり実施!中学生が描く持続可能な未来と、L-TanQを活用した学びの成果

有限会社ラウンドテーブルコムは、品川区立冨士見台中学校にて、9年生(中学3年生)を対象とした2日間のSDGs-PBL(プロジェクト型学習)ワークショップを企画・実施いたしました。

この出張授業は、同校のテーマ「自己存在感を高め 、 自己実現に向けて 、ウェルビーイングを大切にしながら社会貢献をしよう」の「探究的な学び」において、「自身の具体的なキャリアプランを見つける」9年生のカリキュラムの一環として、市民科の授業の中で2022年度から継続してきたものです。(※市民科=道徳、特別活動、総合的な学習の時間を統合・再構築した品川区の独自教科)

地元・品川区の企業活動を学ぶ第1回、そしてデジタル地域通貨とSDGsポイントを通じて地域経済の循環を疑似体験する第2回。これらを通じて生徒たちが生み出した素晴らしいアイデアと、数値としても明確に現れた学習効果についてご報告します。


第1回:品川区の企業とSDGs 〜わたしたちの街で見つける、世界を救う10のヒント〜(2026年5月20日)

第1回の出張授業では、品川区にゆかりのある10の先進企業の取り組みを学びました。(※これまで弊社が運営する国際的学習プログラム研究委員会の活動にご協力いただいた企業を紹介)

紹介した企業とSDGsの取り組み:

  1. 東洋製罐株式会社(大崎):極限まで薄く軽い缶や100%植物由来の紙製容器の開発。
  2. アイ-コンポロジー株式会社(北品川/SHIP):間伐材や生分解性プラスチックを混ぜ合わせた新素材(Biofadeなど)の開発。
  3. コグラフ株式会社(北品川/SHIP):AI電話番サービス「マヤイ」の開発による労働環境の改善。
  4. 東京サラヤ株式会社(東品川):パーム油の生産地ボルネオ島での熱帯雨林・野生動物保護活動支援。
  5. クラスター株式会社(大崎):メタバースプラットフォーム「cluster」の運営による、移動を伴わない「誰も置き去りにしない」社会づくり。
  6. セガサミーホールディングス株式会社(西品川):ゲーム機のリサイクルや、ゲーム技術を使った学校教育・地域活性化。
  7. ネットワンシステムズ株式会社(東品川):企業のテレワーク支援やオンライン授業を支える安全なITインフラの提供。
  8. 株式会社明電舎(大崎):省エネによるクリーンな水供給と再生可能エネルギーのコントロール技術。
  9. ファイン株式会社(北品川):間伐材や竹を使った環境に優しい「竹の歯ブラシ」などの開発。
  10. Z-NEXTグループホールディングス株式会社(西大井):現役大学生による、若者の視点を取り入れた街づくり・商品開発。

生徒たちは各社の「強み」や技術を学び、「もし自分がこれらの企業とコラボレーションするなら、どのような地域課題を解決できるか?」をグループで徹底的にディスカッションしました。 役割分担を決め、オンラインフォーラムに議事録をリアルタイムで投稿しながらアイデアを練り上げていきました。


第2回:地域通貨×SDGsを体験しよう 〜SDGsで地域の商品・サービスづくり〜(2026年6月22日)

第2回では、前回の学びを踏まえて自分たちが考えた「SDGsに寄与する商品・サービス」を、実際にデジタル地域通貨とSDGsポイントを使って売買する経済循環シミュレーションゲームを行いました。

  • ゲームの仕組みと「L-TanQ」の活用 自社で開発・運営している学習用プラットフォーム「L-TanQ(エル・タンキュー)」を使用。 各チームに10,000のローカルポイントを付与し、店番係と買い物係に分かれてQRコードのスキャン等を用いた取引を体験しました。 このゲームの最大の特徴は、売り手と買い手の双方に「使う・貯める」をきっかけとして、減ることのない「SDGsポイント」が蓄積されていく仕組みです。 取引を通じて、「一人ひとりの日常の選択が、いかに地域経済とSDGsの達成に寄与するか」を直感的に学びました。

生徒たちの素晴らしい成果物(プロジェクト提案)

出張授業の後もSDGsカリキュラムは続き、生徒たちの豊かな発想力と深い考察がぎゅっと詰まった手書きのプロジェクトポスターが完成しました。その中から代表的なアイデアをいくつかご紹介します。

  • 『Zero Litter Challenge(ゼロ・リッター・チャレンジ)』 街のポイ捨てゴミ(たばこ類44.0%、ガム類13.3%など)の割合を調査。写真を撮るだけでAIがゴミの種類(燃えるゴミ・プラ・缶など)を自動判別し、投稿するとポイントがもらえるアプリを提案。
  • 『お腹いっぱい大作戦』 ゴミ拾いへの参加ハードルを下げるため、街のゴミを拾って専用の食堂に持ち込むと、集めたゴミの量に応じて無料(またはポイント)でご飯や菓子と交換できるコミュニティ食堂を企画。
  • 『TOY STORY プロジェクト』廃棄されるおもちゃの量を減らすため、専門企業である株式会社ハチオウと協力してフリーマーケットを開催。物を長く大切に使うリユースを促進。
  • 『クリーングリーンチキュウオンダンカ』 地球温暖化対策として、一軒の家に一つプランターを置いて花や野菜を植える活動を提案。植物による二酸化炭素削減と街の景観向上、そして地域コミュニティでのプランター無償交換といった社会貢献システムを考案。

他にも、熱中症対策のための「クールサマーフェスティバル」、エアコンの最適設定温度を追及する「適温宣言」、不登校やヤングケアラーのこどもたちにオンラインでITスキルを教える「RE:BOOT」など、中学生ならではのリアルな目線で「品川の未来」を良くする提案が多数生まれました。


教育効果の可視化:ルーブリックによる驚異的な自己評価の向上

今回のプログラムの効果を検証するため、実施前(事前)と実施後(事後)で生徒たちの探究力に関するルーブリック自己評価(レベル1〜6)の比較を行いました。

その結果、「率先力」(もともと高かった)を除くすべての評価項目において、生徒たちの自己評価が大幅に向上していることが分かりました。

特に「分析力(+0.504)」「立案力(+0.462)」「独創力(+0.378)」において目覚ましい伸びを見せています。 地元企業の強みを客観的に「分析」し、それを身近な課題と掛け合わせて具体的に「立案」し、最後は「独創」的なポスターやプレゼンを通じて他者へ伝える、という一連の探究学習プロセスが、生徒たちの確かな自信に繋がったことをこのデータは物語っています。


おわりに:これからの未来を創るパートナーとして

品川区という身近なコミュニティを舞台に、企業の持つ最先端の知恵や技術に触れ、デジタルプラットフォーム「L-TanQ」を用いた経済の動きを実体験したことで、中学生たちの学びは「調べ学習」の枠を越え、社会を変えるリアルなアクションプランへと昇華しました。

有限会社ラウンドテーブルコムは、これからも地域、企業、そして学校を繋ぐ架け橋となり、未来の社会を担う子どもたちの「探究力」と「SDGsマインド」を育む教育活動を推進してまいります。

授業に協力してくださった品川区の企業の皆さま、そして素晴らしい熱量で参加してくれた冨士見台中学3年生の皆さま、本当にありがとうございました!