経済産業省 資源エネルギー庁「令和8年度 地域におけるエネルギー教育実践事業」の採択校である愛媛大学附属高等学校(愛媛県松山市)および済美高等学校(岐阜県岐阜市)において、探究学習プラットフォーム「i-TanQ」を活用したエネルギー教育プロジェクトが始動しました。
弊社(有限会社ラウンドテーブルコム)は、両校のプロジェクト推進および探究プロセスの伴走支援を担当しています。2026年10月1日には岐阜・済美高校を訪問し、高校生を対象とした商品開発アイデア出しワークショップを実施しました。










済美高校での商品開発ワークショップ風景。グループごとに身近な廃棄物をエネルギーや資材として捉え直すディスカッションを展開。
岐阜・済美高校:学校の廃棄物を資源に変える「ゼロ・ウェイスト探究」
済美高校(指導教員:山田 奈津岐 先生)の総合的な探究の時間では、3年生22名が「ゼロ・ウェイスト・スクール」を掲げ、校内で日常的に排出される不要プリント等の紙ゴミや、チョーク粉(炭酸カルシウム等)の再資源化に取り組んでいます。
10月1日(木)の6限に実施した現地ワークショップでは、弊社代表の柳沢およびサステナビリティ推進室の木村が教室へ赴き、生徒たちが試作を進めてきた「ペーパーログ(紙薪)」やチョーク粉の活用をテーマに、商品化・社会還元のアイデア出しセッションを行いました。
生徒たちは4〜5名のチームに分かれ、以下のような具体的な切り口でアイデアを練り上げました。
- 香りやゴミから生まれた七色の輝き(炎色反応を使って新聞紙の中にナトリウム、カリウムなどを入れて七色のキャンプファイヤーを作ります!)
- 災害時用薪(災害用のミニキャンプファイヤー。落ち葉など燃えやすい材料を配分などを考えて混ぜ込む。災害時に持ち込めるようにする!)
- デコりペーパーログ!!(材料は捨てられる前のプリントなのでエコ!!形をハート型・星形など可愛くしたり、にこちゃんマークなどイラストを描いて、より魅力的に!!)
- ペーパーログキャンドル(香りをつける。固める時色水で作る事でカラフルにする)
- super paper sword(文化祭で使わなくなった雑紙を使って剣を作る。どんな人でも遊ぶことが可能。紙の剣はお金がかからないから、誰でも作れるし学級費を節約できる)
これらのアイデア出しセッションでは、探究学習プラットフォーム「L-TanQ」を実際に操作しながらワークを進行しました。生徒たちは考案したアイデアをシステム上に“商品”として登録し、単なる思いつきで終わらせないよう「いくらで販売できるか(ローカルポイント=価格)」を設定。さらに、その価格と同等の価値をSDGsの17の目標(ゴール7:エネルギー、ゴール11:持続可能なまち、ゴール12:つくる責任 つかう責任、ゴール15:陸の豊かさなど)へ重みづけして分解・割り振る入力作業を行いました。
画面を通じて各チームの登録商品やSDGsポイントの内訳を共有し合い、システム上でポイントを交換・相互評価する疑似マーケットを体験することで、自分たちのアクションが持つ環境・社会的なインパクトを定量・定性の両面から客観視するプロセスを体感しました。




L-TanQの操作画面。生徒が考案した商品アイデアに対し、ローカルポイント(価格)とSDGs各ゴールへの貢献ポイントを配分・登録し、相互評価を実施。
愛媛大学附属高校:次世代太陽電池×GISによる地域空間分析
一方、愛媛大学附属高校(指導教員:上床 孝樹 先生)では、次世代型太陽電池(ペロブスカイト太陽電池等)の特性と、GIS(地理情報システム)や3D都市モデル「PLATEAU」を組み合わせた先進的な探究が進められています。
松山市内の日照条件や傾斜地、既存建物の壁面・窓などの空間データを解析し、「都市や離島(中島など)のどこに次世代パネルを配置すれば、地域の脱炭素化・エネルギー自給を最大化できるか」を数理的・実証的にシミュレーションしています。
「i-TanQ」が支えるプロセス重視の評価基盤
両校のプロジェクトでは、日々の実験記録やフィールドワークでの気づき、AIコーチとの対話ログを一元蓄積するツールとして「i-TanQ」が稼働しています。
従来の「最終レポートや発表スライドの出来栄え」だけに依存した評価ではなく、日々の問いの深まりや試行錯誤の軌跡をログとして可視化し、教員が生徒個別の成長をデータに基づいて把握・支援できる環境を整えています。
文化祭での発信や学会発表など、秋から冬にかけて本格化するアウトプットに向けて、引き続き両校の探究活動を伴走支援してまいります。
