成田空港からこのメールを書いている。これから、教育分野でのコンピュータ利用の事例説明ということで、米国シリコンバレーにある企業に報告に行くという旅だ。飛行機に乗り込む直前に空港内の掃除道具を動かす為のソケットから電源を取りながら、コンピュータを動かしている。はやく、各席に電気のコンセントがついてくれないか願う今日このごろだ。どうやらアメリカン航空はエコノミーでも電源がついているという情報もあるのだが、今日はユナイテッドで搭乗ということで慌てている。
私は現在、とある中学でコンピュータの講師をしている。学生を2~3名のグループにして、一年間を通して、ウェッブ上に自分達で教材を作り出す授業を続けている。
この春からアットマーク・インターハイスクールで高校生にも似たような試みをしていきたいと思っている。中学は教室にいっせいに集まって授業を行うわけだが、今回は遠隔で実施する必要がある。完全な遠隔教育というわけだ。中学ではなかなか実現できないでいる、教材のプロ並みの完成度を目指せるのではないかと密かに楽しみにしている。
いろいろとチャンスが訪れるが、じっくりと腰を据えて、中学生であれ、高校生であれ、大学生であれ、これからの若い世代と一緒にコンピュータを使って、何かを創り出していく、クリエイティブな授業を作り上げていくことをこれからの最大のテーマとしたいと再度認識した。
教材
大学はホームスクーラーにとって、何を与えてくれるでしょう?また、ホームスクールを実践するにあたって、大学との関わり方はどのようなものになるのでしょう。
昨年の夏、フィラデルフィアに行った時に、あるヒントが垣間見られました。古い駅舎を改造した、通信添削教材を中心とした、ホームスクーラーのサポート校を発見したのです。
経営はファミリービジネスでしたが、創始者でもある父親が中心となって、地元の有力な大学と深いつながりを作っていました。この基本姿勢はその後の代にも引き継がれていました。既にその経営は息子達の代で、私たちを出迎えてくれたのは、2人の若手の兄弟でした。父親同様、地元の教育学部の先生方とコミュニケーションをとり、高校の授業についていけない学生のための補修教材を地道に取り揃えていました。
アメリカでは各学校に学生の学習の相談を請け負う相談員がいます。最近では日本でもそうした担当を用意している学校が増えてきました。たとえば、そうした相談員が、補修教材を扱っている学校を紹介することがあります。しかも直接に単位に結びつく条件として、補修を受けさせることもあるようです。
特に注目すべき点は、教材を作成する上で、大学の専門家や学生とのコミュニケーションを充分にとっているという点です。その中身も濃く、たとえば歴史の問題なども、従来の歴史観からに立った場合の解答と、自分のオリジナルな解答を両方書き込める欄などもあり、よく考えられています。
日本でなら、解答は一つになってしまうでしょう。ましてや、通常の歴史観と異なる解答をしては、点数は取れないのが原則です。ただし、創造的な人間を育てる方法としては、こうした解答欄の設け方は一理あるのではないでしょうか。
こうしたクリエイティブな学習方法を応援する問題集はぜひ大学でも高校でも協力しあってつくって欲しいと思います。自分で考える力を養える学習参考資料、そうしたものを用意できたなら、日本のホームスクールの文化も根づいてくれるのではないでしょうか。このような教材を扱っている学校を、公的な学校が紹介できる環境こそ、アメリカのふところの広さなのではないでしょうか?
アットマーク・インターハイスクールでも、学内ばかりではなく、学外の優秀な専門家の方々とコミュニケーションを深め、学習者の知的好奇心をかきたててくれるような、ヒント集をつくっていきたいと考えています。

