NetCommonsというオープンソースCMSをご存知ですか?
学校現場では様々なオープンソースが導入されつつあります。
自治体の予算もないので、大手ベンダーのCMSやLMSを導入できなくなっているというのが現実のようですが。
2005年前後はxoops。私もずいぶんと使わせていただきました。戸山高校の授業や、多摩美術大学の授業はXoopsを活用して、学生達とのコミュニティを形成しながら、授業を進めました。高校生も大学生もBBSを中心としたコミュニティは大好きですね。
さて、NetCommonsも当初はXoopsを改造して開発が進められていたようです。バージョン1.1.4まではこうした開発されました。
しかし、XoopsはGPLライセンスというもので、何か新たに開発したらコミュニティに戻す必要があります。また昨今のもっと自由度の高い開発手法に追いつこうとすると、どうも開発しにくいという点があったようです。2.0系からはXoopsとは少し決別してスクラッチから書き直したそうです。
今日はそのあたりのお話を開発の中心で活動している国立情報学研究所の新井紀子教授を訪問して聞いてきました。1月30日には、サイバー大学さんとのセミナーでこのあたりのお話を私がする予定になっていたからです。サイバー大学の石田先生、久保田先生とご一緒しました。
ワンセグでの授業配信の実験で、動画データを閲覧した学生からのアンケートや、簡単な設問を携帯でアクセスできるように、私の会社で環境を構築していたからです。
NetCommonsのインストールは1系はXoopsそのもの、2系はもう少しスマートになっています。日本の携帯3キャリアーへの対応は確認の上、リリースされているということなので、とても便利です。
NetCommonsの対抗としてMoodleも準備しました。Moodleも大学なので多く活用されはじめていますが(実はある大学でMoodleのサーバのメンテをすることになっています)、モバイル対応は一部の限られた機能しか使えない点、モジュールのインストールにも少し癖があるので、今後の普及のことを考えるとNetCommonsではないかと判断しました。
NetCommonsはその管理の簡便性のせいか、全国の小中学校の教育の現場で普及し始めているようです。既に1500校に導入されているというお話を聞いてびっくりしました。恐らく開発元が日本の国立情報学研究所であるということ、ある自治体が使い始めたので、横並びで自治体単位で導入されているケースが増えて来ているのが原因でしょう。
携帯電話の利用を禁止するという動きが教育の現場ではるようですが、実際は学校のホームページが携帯対応になってくるという時代に、NetCommonsは可能性がでてきましたね。但し、利用者は一番使いたがっている子供たちではなくて、親御さんのようです。既に携帯電話での情報収集に壁が低くなっている世代が親御さんの世代になってきているということなのでしょう。
しかし、よくよく考えてみるとNetCommonsもMoodleも単なるCMS(Contents Management System)ではなくて、LMS(Learning Management System)であること、つまり問題を作成管理したりすることに長けているソリューションなのですから、学校現場に導入されるとしたらそこが評価されるべきかと。実際に生徒、学生、教師達が授業で使うときは、PCからのみということになってしまって、少し残念な気がします。
親御さんが携帯で学校の情報を取りに行く為のソリューションが欲しいなら、圧倒的にOpenPNEのSNSの方が、使いやすいと思います。今後の学校現場の携帯サイト導入の指針になるかと。NetCommonsの携帯サイトはもう少し使いやすくして欲しいですね。例えば「かんたんログイン」機能などは必須かと思います。
実は多摩美でXoopsで授業を運営していた時に、学生から、どうしてMixiのような使いやすいシステムでやってくれないのですか?と質問を受けた覚えがあります。使い慣れたインターフェースで授業が運営できるのならそれで良いのではないかと。
ということで、私自身は現在MixiクローンのOpenPNEを積極的に活用して授業展開しています。運用を工夫すると結構いろいろとできるんです。