聖学院記念祭に行って来ました

プロジェクトマネジメント研修を学校教育現場に導入してくれた聖学院中学高等学校の記念祭(文化祭)に参加してきました。

 サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトで「宇宙エレベーター」をテーマに活動してくれた物理部は教室でレゴを利用した宇宙エレベーターの模型展示と、調べ学習をしたポスター展示をやっていました。生徒が生き生きと宇宙エレベーターについて解説してくれたのが印象的です。

また、NPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会の一員としてプロジェクトマネジメントのワークショップにも参加させていただきました。

フェリス女学院大学の教員としてレゴのワークショップ活動に参加させていただきました。

この経験を生かして、記録を残して、将来的には本格的な宇宙エレベーターロボットの世界大会を目指したいと言ってくれたのは嬉しかったです。学校の歴史の一ページを開けたかもしれませんね。

 

 

夏休みの修学旅行をテーマに蝶が岳に登山を行っているようです。NPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会がプロジェクトマネジメントのワークショップをサポートして、二年間にわたって学校行事のレベルアップに協力していきます。参加した生徒達が教室でのプレゼンテーションの時間にたくさんのお客様を引き込む為に「プロジェクトマネジメント学んで登山をしました!」と廊下で叫んでいた事が印象的です。

発表は、GPS付き電子カメラを活用して、登山途中で撮影した写真をグーグルマップにマッピングしてくれていました。インパクトのあるプレゼンテーションができあがりました。また、教室内にはレゴを使って蝶が岳の疑似模型も登場、こうしたアイデアは生徒自ら出て来たようです。素晴らしい!

これまでの作業のスケジュール表も掲載されていましたが、どのようにして変更が起こったのか、そのあたりのデータも比較で掲載すると良かったかもしれません。

エネルギーが余ったのか、登山時の写真のスライドショーとは別に、「広告用動画」ということで、遊びで作っていた、レゴで制作したロボットのコマドリ映像、とても出来が良かったと思います。ぜひBBCoach Projectにも参加してほしいと思い、先生方にも伝えておきました。

松山女子高校で電子書籍制作入門講座2

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトでの電子書籍入門講座の2回目。

前回は関東学院大学をお借りして、最新設備の中、どちらかというとシリコンバレー等の最先端の情報を中心に展開したが、今回は松山女子高校でアップルからお借りしたMacBook Proを学生に実際に使ってもらいながらも、書籍や本についてのテーマも取り入た話題も提供した。話題はヨーロッパ中世の時代まで及んだが、楽しんでもらえたと思う。

松山女子高校では遺伝子の学習をしながら、その学習した内容をチームで電子書籍にまとめあげて、発表会をやるというプロジェクトに挑戦している。

第一回目はプロジェクトマネジメントを学習してもらえるようなワークショップを実施、二回目は最先端の電子書籍情報と制作のファーストステップ、そして今回が三回目の講座になる。その間に遺伝子に関連する映画の鑑賞会があり、また二学期には実際に生物の授業等で遺伝子について学び、さらに外部講師もお願いしながら、遺伝子の講座も実施する予定。全体の復習という感じで実際のプロジェクトの現在の進行状況の確認をまずは行った。

そして今回はせっかくプロジェクトを進行しているので、iBook Authorを活用して、プロジェクトマネジメントの関連書類を整備できるようにしてみようと試みる。簡単なフォーマット書式iBook Authorで用意して提供、それに従って、各自のプロジェクトについて実際に考えてもらった事項を記入していただき、それを電子書籍のフォーマットに書き出す作業を行ってもらった。iPadに転送して確認してみると簡単に電子書籍になっているのを確認。最後にページめくりをしながら、各自のプロジェクトについての発表も実行してもらった。

コンピュータばかりいじっていて途中で飽きてしまうといけないので、本の歴史や、書籍の構造について、実際に古書を触る機会も提供しながら理解してもらう機会を提供した。私の個人的に集めている西洋紋章関係の古書を実際に触ってもらって、1600年代のカビ臭いにおいを体験してもらったり、本の装丁や、中世の時代の本の作り方についても、解説本を中心に紹介した。

さらに、参考文献表の作成の仕方、ポイント等を解説し、各自のテーマにあった本をインターネットで検索し、表を作成してもらう。また学校や公立図書館の利用の仕方についてもヒントを出しながら、研究に向かう姿勢を各自に再確認した。

とてもまじめで積極的な生徒が集まってくれた。このワークショップの翌日に実力試験があるという状態だったようだが、5時間もおつきあいいただいて、しかも今回はある程度作業したデータも残せるレベルまで集中して取り組んでくれた。

参加していた先生方も、各自iBook Authorを触りながら、その便利さや可能性について考えてもらえたのもひとつの成果だったのかもしれない。

どんな作品が出来上がってくるのか、これからも楽しみだ。

今年10周年を迎えるBBCoach Projectへの招待も行い、銀座での発表会で出会える事を期待しながら、今にも大雨になりそうな空模様の中、帰路についた。

 

中学と高校の教師のためのPBLガイド

NPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会から、「プロジェクト実践教育ハンドブック第2版」の翻訳版が出版刊行された。

K-12業界に一緒にプロジェクトマネジメントの概念を紹介している者として、応援したい。

米国ではいち早く教育改革が実践されてきているが、なかなか日本への波及が起きなかった。現場の先生方もどのようにアプローチしたら良いか、具体的なハンドブックがなかったので、手探り状態であったことは確かだ。

SSHやSPPの案件では、ようやくプロジェクトマネジメントの概念を導入してくれる学校が増えて来た。

ある高校では、通ると思わなかった申請が、プロジェクトマネジメントの概念を導入することによって、成功したという経験もあると漏れ聞いている。

日本の教育界の動きもようやく、こうした動きに連動してくる可能性が出て来たということだろう。

ぜひ現場の先生方と一緒に学び合う場を今後も創出していきたいと願っている。

教育界と実社会の本格的プロジェクトマネージャー達との橋渡しができれば幸いだ。

こちらで販売もお手伝いしています。3,990円(消費税込み)+郵送料210円。

フェリス女学院大学で豊南高校の生徒とマインドストーム

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトの一環で、豊南高校の生徒にフェリス女学院大学まで来てもらって、レゴのマインドストームを利用したワークショップを体験してもらった。

主講師としてフェリス女学院大学の内田奈津子先生、私は副講師としての参加。学生のTAとして私の授業の受講者でプロジェクトマネジメントを学んだ斎藤菜穂さんと、森本夏生さんが参加してくれた。

フェリス女学院大学にはファシリティとしてレゴのマインドストームが導入されており、内田先生は近隣の小中学生等も交えて、ここ数年世界大会まで出場してしまっている程の実力を持つ。

豊南高校にもマインドストームが導入されていたが、十分生かされた授業は展開していなかった。そこで、今回カリキュラムを活性化する為にも、プロジェクトを立ち上げた。単なるマインドストームの授業運営ではなく、プロジェクトマネジメントの概念も取り入れて、チームでロボット制作に取り組んで、文化祭にプレゼンテーションができるよう連続したワークショップを配置した。一回目は豊南高校にプロジェクトマネジメント・インキュベーション協会も参加してもらい、プロジェクトマネジメントの研修を行い、今回が初めてのマインドストームの体験講座になった。

初めてマインドストームに触る生徒達もいたが、そこは若さの力を生かした創造力を生かしてもらい、すぐにロボット制作に打ち込める体制になった。特に今回は2台の本体をBluetooth接続して、通信させるという基本プログラムをマスターしてもらった。一台をコントローラーとして設定。ボタンを押すと別の本体から音がなったりする簡単なプログラムを指導。細かいエラー等も体験したが、なんとか全てのチームが成功体験を味わう。実際には各チーム自分たちで応用して様々な動きまでつけるように発展していった。

特にテーマは設けなかったが、各チームごとに、プロジェクトマネジメントの書類を再度記入してもらうところからスタート。ここは私が特に指導に力を入れたところ。ロボット制作に打ち込んでいた時間を少しだけ止めて、真剣に各チームが目指すロボットの完成形を想像してもらった。

途中、イメージしていた動きが難しい事も体験して、計画の見直しをする必要を痛感するチームも出現。今後の課題も確認してもらった。

また、スケジュールの確認もしてもらったところ、夏休みの子供達の活動は結構忙しいようで、休暇中の学校を活用できる時間も限られているので、十分な開発の時間が取れるかどうか、少し不安は残しているが、逆算すると、そう多くの時間が割けない事を各チームには再確認してもらった。

次に集まれる機会は、私たちは残念ながら参加はできないが、生徒達だけで、どの程度今回の体験を踏まえて、ロボット制作のバージョンアップができるか、楽しみだ。

豊南高校の文化祭は9月15日(土)、9月16日(日)に開催される。

マインドストーム

 

豊南高校@フェリス

関東学院大学に女子高生を招いて電子書籍入門講座を開催

松山女子高校のサイエンス・パートナーシップ・プロジェクトの2回目の講座。今回はマイクロバスをチャーターして、松山女子高校(埼玉県東松山市)の生徒に、関東学院大学(神奈川県金沢八景)まで来てもらった。

午前10時から、座学で電子書籍の日本及び世界のマーケットの情報を提供した。海外の動画ニュース等も紹介し、最先端技術の解説を英語で聞いてもらう時間も確保。また、電子書籍機器の種類やソフトのフォーマット等について学んでいただいた。

2コマ目は大学のマシン(MacintoshとWindowsがパラレルで走る)を利用して実際に電子書籍を作ってみる体験をしていただた。

  1. Pagesというワードプロセッサーのソフトを活用、「夏休みの計画」というお題を提供して、文章を作成してもらう。
  2. 書き出し機能でepub形式に圧縮して固める。
  3. epubに固められたらファイル群をターミナルを利用してコマンドを打って解凍する作業を体験し、epub形式のフォーマットが複数のファイル群でできあがっていることを確認したもらった。

3コマ目では、大学のファシリティの紹介も含めて、バーチャルスタジオの見学、アフレコ用の施設や音声加工のファシリティ等も紹介。3D撮影機材の紹介や実際に学生が制作した3D映像も体験してもらう。最先端のファシリティを活用しながら、技術者を育成している環境を確認してもらう。またそこで育った学生もTAとして紹介し、今回のプロジェクトにおいて、コンテンツ制作で足りない部分のお手伝いをしてくれることを発表してもらった。

4コマ目では、iBooks Authorを使って、さらに「夏休みの計画」というテーマで書類を作成してもらい、iba形式の電子書籍の書き出しまで体験してもらった。

5コマ目では、SNSの活用方法として、今回のプロジェクト実施にあたり、記録を残す為のツールとしての使い方を解説。講義だけではなく、いつでも今回のプロジェクトチームは繋がっている事を確認したもらい、質問等もいつでも受け付けられることを伝えた。社会人や、大学、NPO法人等が入り交じったプロジェクトなので、記録を残す事の重要性と応援団を巻き込んだプロジェクトの進め方について、再確認してもらえたのではないかと思う。

次回は9月2日。松山女子高校で。実際に遺伝子学習のアウトプットとしての教科書作りに挑戦する。

松山女子校SPP@関東学院大学

聖学院SPP:宇宙エレベータプロジェクトのプロジェクトマネジメント

2012年7月28日(土)、フェリス女学院大学の教室をお借りして、サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトの一環として、聖学院中学高等学校の生徒と一緒にプロジェクトマネジメントワークショップを実施した。
20120728seigakuin
始めにフェリス女学院大学の講師という立場で私から「なぜプロジェクトマネジメントを学ぶのか?」というタイトルで講演を実施。学習をプロジェクトマネジメントする力、自学自習できるような力をこのプロジェクトで身に付けてほしいという目標を共有させてもらう。
また、今回のプロジェクトは、生徒、教員を含めた学校とTA、講師チームの大学、そして社会人を中心としたNPO法人という複数の団体が参加しているプロジェクトであることを確認。コミュニケーションコントロールのツールとしてインターネットを活用して、プロジェクトの記録を残しておける環境としてSNSを活用することを伝えた。既に今日参加してくれた生徒25名達はSNSへの登録がほぼ済んでいることも確認できた。
次にいくつかのアンケートを実施。各生徒達のモチベーション、実力を探る為に、「学習環境アンケート」「01 Profile学習スタイル診断」「自己評価表」を記入してもらう。
PC保有率96%、iPhone+スマートフォン所有率35%、英語学習時間8時間/週という面白い数字を得る事ができた。また、学習スタイルについては、その後のワークショップのチーム分析にも生徒自ら活用していただき、チームの性格分析も自らしてくれたことも、めずらしい動きだった。
聖学院中学高等学校からは、英語科の高橋一也先生と増山望先生が参加していただいた。
内田1
内田2
マインドストーム
次にフェリス女学院大学の内田奈津子先生から、レゴのマインドストームの宇宙エレベータキットを実際に見せていただき、どんな物かの概説があり、その後チームごとに手に取って触ってみながら、質疑応答、プログラミングの画面等も実際に見てもらい、いよいよ本番が近い事を意識してもらった。発表は11月2日、3日に開催される聖学院中学高等学校の記念祭で行う予定。
午後は、プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会の仲間に集まっていただき、プロジェクトマネジメントの初級ワークショップ。
まずは、レゴを使った「モデルハウス制作プロジェクト」。お客様からの要求定義書を紹介し、一定の条件のもとでモデルハウスを作成してもらう。チームでの役割分担、計画、作業記録等を体験しながら、レゴでの家作りをしてもらった。今回は短時間だが、安くし上がってしまう家等は、お客様からの要求から乖離しているということで若干評価点数が下がってしまうというバージョンアップ版で挑戦してもらった。
モデルハウス
その後、実際に記念祭でのプロジェクトを意識してもらいながら、各チームのプロジェクトを整理してもらう作業に入った。11月発表ということもあり、短期間でのチーム力を向上させる必要もあり、いよいよプロジェクトが本格的にスタートできたいう実感が得られたのではないだろうか?
カイコ型宇宙エレベータ
カプセル型
老若男女が乗れるもの
プログラミングを小さく、ビデオに撮影
等様々なアイデアが各チームから発表があった。
フェリス+聖学院

この夏の活動

そろそろ前期が終わりで、大学の授業は一段落します。

この夏は、普段と異なる活動で、中高大学連携授業等で下記の活動を予定中です。

興味のある方はぜひお声をおかけください。

日時:2012年7月28日(土)10時〜17時まで
場所:フェリス女学院大学
内容:プロジェクトマネジメント研修、SPP(科学技術振興機構のプロジェクト)。宇宙エレベータについて学び実践する講座の一環。2回目。
参加校: 聖学院中学高等学校

日時:2012年7月30日(月)14時〜17時まで
場所:聖学院中学高等学校
内容:記念祭をプロジェクトマネジメント

日時:2012年8月 5日(日)10時〜16時まで
場所:関東学院大学
内容:電子書籍入門講座1、SPP(科学技術振興機構のプロジェクト)。高校生による遺伝子学習の電子書籍化。2回目。

日時:2012年8月7日(火)10時〜16時まで
場所:フェリス女学院大学
内容:マインドストームレベルアップ講座 、SPP(科学技術振興機構のプロジェクト)。

日時:2012年9月2日(日)10時〜16時まで
場所:埼玉県立松山女子高校
内容: 電子書籍入門講座2、SPP(科学技術振興機構のプロジェクト)。高校生による遺伝子学習の電子書籍化。3回目。

 

聖学院記念祭とPM

伊藤豊
聖学院中学高等学校の記念祭(文化祭)をテーマにしたプロジェクトマネジメント研修が開始された。
2012年7月7日(土)、担当の伊藤豊先生を中心に13名の男子生徒達が集まってくれた。
研修担当はプロジェクトマネジメント・インキュベーション協会の伊藤緑さん。
研修内容は確実にバージョンアップされてきた。
学校の文化祭は始まりと終わりのある一つのプロジェクト。そのプロジェクトを改善する為に、プロジェクトマネジメントの考え方を導入する。学習の後にはしっかりとプロジェクトの記録が残ることだろう。その記録がこの学校の歴史の第一歩となり、今回参加してくれた生徒達はその歴史を作り上げるパイオニアになってくれると思う。そんな気持ちを伝えた後、研修はスタートした。
ビルダーとメッセンジャー
ビルダーとメッセンジャー2
まずはチームのコミュニケーション力を高めるワークショップ。
「ビルダーとメッセンジャー」
今回の研修はレゴの青バケツのセットがチームごとにあると、実施できる汎用性のある研修だ。
研修前に仕込んでおいた、三段のレゴの組み合わせモデルを、観察してその形態を言葉で伝えるメッセンジャーと、その情報をもとにしてモデルを組み立てるビルダーがチームとして活動する。
メッセンジャーは10秒/回×10回観察することができる。ゲームは二回実施して、二回目は少しレベルの高い複雑なモデルに作りこんでおく。
今回は3チームになり挑戦してくれた。一回目の挑戦は、全チーム失敗。二回目は1チーム成功してくれた。やはり一回目の失敗を分析して、しっかりとチーム内でのルール作りに挑戦したところが成功していた。
その後プロジェクトマネジメントの概要を若干だったが講義として時間をとった。
プロジェクトとは
・初めと終わりのある活動
・独自の成果を出す活動
・目的、目標を達成する為の活動
であることを確認。
そのプロジェクトをうまくやり遂げるためのhow toがプロジェクトマネジメントということであることを伝える。
さらにこの考え方は受験や、実際の仕事をやるときには役立つ可能性があるというコメントも伝えた。
モデルハウス
後半は実際に小さなプロジェクト体験してもらう研修。
「モデルハウス制作プロジェクト」
発注者からの要件定義が紹介され、要件にあったモデルハウスをレゴをで制作してもらう。
レゴには部品代として色などで別々の価格を設定。コスト意識もきちんともってもらう。
チームに分かれて、リーダーを設定。記録を残すもの(コントルーラー)、設計をおこすもの(工務)、実際に制作するもの(制作)と役割分担をはっきり決める。もちろん人件費も時間で計算される。
プロジェクトが完成したら、報告書を整備してもらい、チームごとに発表。
もちろんプロジェクトの反省もしてもらう。
今回の3チームに特有だったのが、2階建の2階部分の家としての機能に若干難あり。創造力豊かな生徒達が多かったのかもしれない。
次回は7月30日。「プロジェクトの定義」というお題でいよいよ実際の記念祭のプロジェクトマネジメントの学習に入っていく。楽しみな活動だ。

豊南高校SPP

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト第三弾、豊南高校での研修が始まった。

梅雨の中休みで湿度はありながらも日差しは明るい初夏の高校の物理室で、社会人、大学関係者が応援団として加わり、高校生とほぼ丸一日、共に学習した。

豊南高校では、学習総合プロジェクトマネジメント力、自立的学習能力の向上を目指し、レゴのマインドストームを活用したロボット学習を通じて、秋の文化祭での発表を目指す。

第一日目の講義は、プロジェクトマネジメントを中心とする研修。フェリス女学院大学からTAが二人参加してくれた。一人は国際交流学部国際交流学科で私の授業を受講してくれている斎藤菜穂さん。もう一人は根間亜里沙さん。二人とも海外での学習経験がある。前者はインドへの短期研修を体験しており、現在その模様を私の授業で映像化するプロジェクトを打ち立てて挑戦中。授業でもチームでの作業を経験している最中で、初歩のプロジェクトマネジメント学習は経験済み。後者は台湾への一年間の交換留学経験あり。社会人になってもこの留学体験で得た人脈をビジネスに生かしたいと思っているとか。ふたりともしっかりしている。特に最近の学生はアジアとの繋がりが深くなっているのは偶然か?今後の世界市場の未来図を想定すると良い傾向かもしれない。

豊南高校は共学なので参加してくれる生徒にも女子が加わってくれているかなと期待したが、残念ながら参加希望者は男子生徒のみとなった。

最初に私からサイエンス・パートナーシップ・プロジェクトは学内関係者だけではなく、大学やNPOの協力もあり成立している貴重な学習体験であることを伝えた。また、だからこそインターネットを活用したコミュニケーションコントロールが必要で、各自の学習記録を、準備したSNSで積極的に記録して欲しいことを強調した。幸い授業開始前に生徒達は全てSNSに登録が完了しているという素晴らしい生徒指導が担当の辻元俊夫先生、池上太一郎先生の協力の元実施されていた。授業以外での交流もこれで提供できる。学校と社会が繋がった学習環境を提供できるだろう。

SNS
SNS

各生徒の学習環境を調査する為に学習環境アンケートも実施した。今回の生徒達は、全員PCを所有しており、約7割がiPod等も保有しているというICT系マニアの集まりのようだ。パソコン部と進学希望の優等生が集まってくれたらしい。期待が持てる。

学習スタイル診断も実施してみると案の定バラバラの結果で、うまくチームでの役割分担に活用してくれると嬉しい。生徒から結構この診断当たってますとのコメントもいただいた。

学校側から要望されていた各学習能力についてのルーブリクスも作成し、現時点での自己評価表も提出してもらった。レベル的には丁度中間程度の自己評価に落ち着いたので、こちらも今後の伸び率が楽しみだ。

 

仁科基調講演の後は、私も所属しているNPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会のメンバーでもあるIBMの仁科斉PMからの練り抜かれ、バージョンアップしたワークショップを通じて、実際に手を動かす実習も含めてプロジェクトマネジメントについて学んだ。大学生も授業以外でも学べる良い機会になったようで、帰りの車の中では、これからも積極的にプロジェクトマネジメントを学んでみたいという嬉しい発言が連発していた。

 

 

 

 

役割分担 ヘリポート

ブレインストーミング

次は8月7日にフェリス女学院大学を舞台に変えて、レゴのマインドストームを使った研修を内田奈津子先生と共に展開する予定。

宇宙エレベーター研修

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト第二弾プロジェクトの始動!聖学院中学高等学校の生徒と共に宇宙エレベーターについて学ぶ。今回はオブザーバーとして参加。

講義は日本大学理工学部教授の青木義男先生。ゼミでも富士山で行われた国内の大会に出場しており、実際の大会の模様をビデオ映像で紹介いただいた。海外での大会では、NASAの職員も参加しているとのこと。全世界で叡智を結集しようとしている大掛かりで本格的なプロジェクトだ。

青木義男
日大理工学部、青木義男教授

宇宙エレベーター協会の会長の大野氏とは、実は以前ある仕事の関係でお付き合いしたことがあるのを思い出した。

まずは宇宙の話。地表から400kmの地点で展開している国際宇宙ステーション、36000kmの地点にある静止軌道衛星、100000km地点での宇宙エレベーター。のっけからやはり途轍もない大きなプロジェクトであることが想像できた。

様々な宇宙開発プロジェクトとの比較として機材の重量と費用の話も面白い。スペースシャトルは運搬量20トン/総重量2000トンで500億。国産のH2Aロケットは運搬量10トン/総重量290トンで100億。宇宙エレベーターは運搬量10トン/総重量20トンで10兆円。1週間で往復するそうだ。エコで効率は良いが、費用の点でどう着手していくか、戦略が必要。今後の技術開発で改善される事も多いようで、この辺りが技術立国日本の未来を引っ張ってくれるのではないかと可能性を感じた。

現在世界で最も強度のある宇宙エレベーターのコースになるカーボンナノチューブは鉄の20倍の強度があるらしい。ケンブリッジで実験が成功しているとのこと。

特にこの技術の応用でビジネス化が検討されているのは、日本で足りないエネルギー政策の一環としての宇宙太陽発電システムだそうだ。かなり期待されている模様。3基で日本の国土を全てカバーできる電力を生み出せるとのこと。5km×5kmの太陽光発電パネルを展開するアイデアがあるそうだ。

成層圏以外の宇宙の空間領土の問題や、太陽光兵器の心配をしたのは、創造力に傾きすぎた文系の心配かもしれないが、講演を聞きながらふとそんな事が私の頭の中でグルグル回っていた。


戸邉治朗

青木先生をアレンジしてくれたのはフェリス女学院大学の内田奈津子先生。以前国土交通省の「地球地図の学校」のプロジェクトでご一緒して以来の共同活動だ。聖学院には私の大学のゼミの後輩でもある高橋一也先生が中心になっていただき申請、今回は戸邉治朗校長先生に最初のご挨拶をいただき、副校長の清水広幸先生が授業を仕切っていただいた。

次はフェリス女学院大学で、プロジェクトマネジメントを学んでもらう。私の出番だ!

レゴのマインドストームを使った体験学習も学校でアレンジする予定。

 

聖学院中学高等学校
聖学院中学高等学校