石田晴久先生のお通夜

9日にお亡くなりなった石田晴久先生のお通夜に行って来た。あまり多くの人に情報を流さないで欲しいという依頼で、私宛のお知らせは私まででとどめてしまいました。

代々幡斎場で神前で開催されました。

サイバー大学の久保田先生、勝先生、多摩美の村松さん、慶應の村井順先生のお顔もありました。

以前、石田先生にご紹介いただいた、筑波大学の天才プログラマー登大遊さんとは久しぶりにお話もできました。石田先生には本当にいろいろな方をご紹介いただきました。私の宝物です。

ご家族の方ともお話することができ、お亡くなりになった当日の携帯電話への無礼をお詫びしました。当日は私からの電話しかなかったようです。最後までアポイントをずらさなかったということは、すぐに復帰されると予想されていたのでしょうか?ご本人にとっても突然の死だったのかもしれません。

ご冥福をお祈りします。

石田晴久教授急逝

2009年3月9日、石田晴久教授急逝の情報を午後1時、国立情報学研究所訪問時に知らされた。石田先生のセッティングで新井紀子先生をを再訪問する予定だった。待ち合わせの場所に先生はいらっしゃらないので携帯をならしたが、お返事なし。仕方なく、遅刻気味で新井先生のお部屋に訪問。サイバー大学から来られていた3名の先生方、川原洋教授、園田道夫准教授、後藤幸功准教授と合流して、始めて知らされた。

その後携帯電話の着信履歴を石田先生のご長男が確認していただいたようで、直接お電話をいただき、経緯を伺った。一週間程前に心筋梗塞を起こして入院、バイパス手術をして、着実に回復に向かっていたようだ。昨日も病院内を歩いていたらしい。しかし、今朝程急変し、急逝されたとのこと。

心筋梗塞を起こす直前まで、Skypeでバーチャル会議をしていたというお話もサイバー大学の勝眞一郎先生から伺った。

石田晴久先生との出会いはThinkQuest@Japan1999の表彰式だった。
1997年から7年間程,慶應義塾普通部の授業をまかされていた。当時はまだ始まっていなかった総合的学習の基本になるようなICT環境を利用した授業運営を提案して、プロジェクトベースの新しい学習環境を提案、構築して運営。一年間かけて、中学生達と一緒に公開できるホームページ作りにチャレンジしていた。運良く銀賞を受ける事になり、授賞式で石田先生から表彰を受けた。
ThinkQuestは教材になるようなホームページを子供たちが作るコンテスト。その後、私は子供たちの希望を聞き取り、教材だけではなく、ゲームや、遊び、趣味なども表現できるコンテストBBCoach Projectを生み出す事になる。2003年から4年間程、石田先生には審査委員長をやっていただいた。

2000年に開講したアットマーク・インターハイスクールでは理事をお引き受けいただき、日本で最初のバーチャルスクール創設のお手伝いもしていただいた。このプロジェクトはその後01 Virtual Public Schoolを生み出す母体となる。

2003年には石田先生に佐伯胖先生をご紹介いただいた。その後、日本学術会議で講演をさせていただくきっかけをつくっていただいた。

2005年から2年間、石田先生が所属していらっしゃった、多摩美術大学情報デザイン学科で講師をしてみないかということで、「インターネット放送」をテーマに講義を行った。学生の作品を世界に発信するインターネットテレビ構想を打ち上げて、授業IPTVサイトで公開している。

2006年の後半は、サイバー大学開設の準備の会議等にもひっぱっていただき、様々な方々をご紹介いただいている。私もこのサイバー大学のプロジェクト以前に構造改革特区を活用しての株式会社立の学校運営で高校を申請していたので、このあたりの情報交換をさせていただいた。

2008年1月に科研費を活用したセミナーを開催。ワンセグを活用した授業運営プロジェクトというのはいかがでしょうと、2年程前に提案させていただき、ようやく初年度の発表が終わったばかりだった。

石田先生には本当にいろいろな方を紹介していただいた。今日の会議でも始めてお会いするサイバー大学の先生方がいらっしゃったのが、いかにも石田先生らしい。これが最後のご紹介となると残念でたまらない。

お酒は召し上がらず、ミーティングは新宿中村屋のフランス料理屋というのが定番だった。

慶應の村井純先生が石田先生を巻き込んで日本のインターネットの普及が始まった経緯は見逃す事はできないと思う。当時は東大の大型計算機センターのトップ。UNIXの研究科としても有名だった経歴抜群の先生が、通信法の範囲外だった新しいネットワークの普及に関わったのはなぜだったんだろう。このあたりの勇気、英断に私は感服して、石田先生を追いかけて来た。

ご冥福のお祈りします。合掌。

BBCoach 2004

2004年度のBBCoach Projectの表彰式での審査委員長石田晴久先生。一番の前の席にいるのが審査員の茂木健一郎さん。

楽しい時間をありがとうございました。

モバイルで学習にビジネスチャンス

「教育セミナー:モバイル教育の技術的基盤」

サイバー大学セミナーサイバー大学の石田晴久先生とのプロジェクト。ようやくここまで来れました。2年程このプロジェクトに関わって来ました。いろいろとありましたが、まず第一弾のセミナーとしては成功だったのではないでしょうか?

富士通にお借りできた会場も一杯になり、関係者ともども一安心です。

次世代のプラットフォームのアンドロイドの話もあり、教育現場でのシステムの活用がどんな感じで行われているかも参加者の方々に伝わったのではないかと思います。

私の結論としては、OpenPNE+Flash型の問題作成ツールがあれば、PC版も携帯版もユーザーが満足できる学習環境が構築できるのではないかということです。今の現実はそんなところだと思います。

少しうれしかったのが、セミナーの後の急な声かけにも関わらず、ちょい飲みの会を開催した時に参加してくれたアンドロイドの会の木南英夫さんとリムネットのstドメインの話題で盛り上がったこと。

それと、慶應義塾大学高宮研究会のゼミの後輩の高橋一也君が参加してくれたこと。何しろ英文学をお互い研究したわけですが、教育の現場に入り込んでICTを活用した授業運営を目指すことに興味を持ってくれた事は奇遇です。私の活動も無駄ではなかったのではと感じさせてくれました。高橋君の先輩になりますが跡部智君が慶應で活躍しているのも心強い繋がりになるのではないでしょうか。

個別のメールでお知らせ流した私の関連の方もたくさん参加してくれました。やはり携帯と教育、これからはこのあたりにビジネスチャンスが生まれるのかもしれませんね。

経済危機に突入した世界の中の日本。教育行政も少子化の動きとともに今後予算カットが予想される中、各教育団体もこれから工夫が必要になってくるでしょう。大手ベンダーに丸投げしていられる時代は終わったのだと思います。頭を使ってうまくソリューションを組み合わせて、しかも現場の子供たちの学習意欲を高められるような学習環境を今後も提案していきたいと願っています。

Magic Planet

国立情報学研究所の三浦謙一教授から面白いソリューションをみせていただいた。

サイバー大学の石田晴久先生からのご紹介。久保田先生とともにお話を伺った。参加者みんなが子供に戻ったような感じで目がきらきらして説明に聞き入ってしまった。

magic planet題して「Magic Planet」。
地球儀上の球体ディスプレーに、地球上の様々なデータが写し出される。植生の分布図から海底の起伏図等。しかも動画だ。刻々と変わる地球の姿をあたかも宇宙から眺めている気分にさせてくれる。ちょっとした宇宙旅行。日本未来館で毛利さんから大型の地球儀ディスプレーの説明を受けたときもびっくりしたが、その小型版といったところか。お金があれば自分の部屋の中にも飾れてしまう。チャップリンが生きている間に開発されていたら、きっと「独裁者」で小道具として使っただろうな・・・

部屋を暗くして観ていたので、あの地球儀の裏から輝度のあがる塗料を塗ってあげたいと思った。私の扱っている塗料を使うときっと小学校や中学校でも暗室にしなくて、きれいな地球の姿を子供たちに見せてあげられるのではないかなと不思議な期待感を感じた。

NetCommons

NetCommonsというオープンソースCMSをご存知ですか?
学校現場では様々なオープンソースが導入されつつあります。
自治体の予算もないので、大手ベンダーのCMSやLMSを導入できなくなっているというのが現実のようですが。

2005年前後はxoops。私もずいぶんと使わせていただきました。戸山高校の授業や、多摩美術大学の授業はXoopsを活用して、学生達とのコミュニティを形成しながら、授業を進めました。高校生も大学生もBBSを中心としたコミュニティは大好きですね。

さて、NetCommonsも当初はXoopsを改造して開発が進められていたようです。バージョン1.1.4まではこうした開発されました。

しかし、XoopsはGPLライセンスというもので、何か新たに開発したらコミュニティに戻す必要があります。また昨今のもっと自由度の高い開発手法に追いつこうとすると、どうも開発しにくいという点があったようです。2.0系からはXoopsとは少し決別してスクラッチから書き直したそうです。

今日はそのあたりのお話を開発の中心で活動している国立情報学研究所の新井紀子教授を訪問して聞いてきました。1月30日には、サイバー大学さんとのセミナーでこのあたりのお話を私がする予定になっていたからです。サイバー大学の石田先生、久保田先生とご一緒しました。

ワンセグでの授業配信の実験で、動画データを閲覧した学生からのアンケートや、簡単な設問を携帯でアクセスできるように、私の会社で環境を構築していたからです。

NetCommonsのインストールは1系はXoopsそのもの、2系はもう少しスマートになっています。日本の携帯3キャリアーへの対応は確認の上、リリースされているということなので、とても便利です。

NetCommonsの対抗としてMoodleも準備しました。Moodleも大学なので多く活用されはじめていますが(実はある大学でMoodleのサーバのメンテをすることになっています)、モバイル対応は一部の限られた機能しか使えない点、モジュールのインストールにも少し癖があるので、今後の普及のことを考えるとNetCommonsではないかと判断しました。

NetCommonsはその管理の簡便性のせいか、全国の小中学校の教育の現場で普及し始めているようです。既に1500校に導入されているというお話を聞いてびっくりしました。恐らく開発元が日本の国立情報学研究所であるということ、ある自治体が使い始めたので、横並びで自治体単位で導入されているケースが増えて来ているのが原因でしょう。

携帯電話の利用を禁止するという動きが教育の現場ではるようですが、実際は学校のホームページが携帯対応になってくるという時代に、NetCommonsは可能性がでてきましたね。但し、利用者は一番使いたがっている子供たちではなくて、親御さんのようです。既に携帯電話での情報収集に壁が低くなっている世代が親御さんの世代になってきているということなのでしょう。

しかし、よくよく考えてみるとNetCommonsもMoodleも単なるCMS(Contents Management System)ではなくて、LMS(Learning Management System)であること、つまり問題を作成管理したりすることに長けているソリューションなのですから、学校現場に導入されるとしたらそこが評価されるべきかと。実際に生徒、学生、教師達が授業で使うときは、PCからのみということになってしまって、少し残念な気がします。

親御さんが携帯で学校の情報を取りに行く為のソリューションが欲しいなら、圧倒的にOpenPNEのSNSの方が、使いやすいと思います。今後の学校現場の携帯サイト導入の指針になるかと。NetCommonsの携帯サイトはもう少し使いやすくして欲しいですね。例えば「かんたんログイン」機能などは必須かと思います。

実は多摩美でXoopsで授業を運営していた時に、学生から、どうしてMixiのような使いやすいシステムでやってくれないのですか?と質問を受けた覚えがあります。使い慣れたインターフェースで授業が運営できるのならそれで良いのではないかと。

ということで、私自身は現在MixiクローンのOpenPNEを積極的に活用して授業展開しています。運用を工夫すると結構いろいろとできるんです。

教育セミナー:モバイル教育の技術的基盤

セミナー: モバイル教育の技術的基盤

 「どこでも、いつでも、マイペースで」勉強ができるというのが、教育のひとつの理想像ですが、それが、IT技術の発展で可能になりつつあります。本セミナーでは、eラーニングの最先端であるモバイル教育に着目し、その基礎となる最新技術を紹介します。具体的には、サイバー大学での実践と将来計画や学会動向、インターネット経由で、エリア限定のワンセグ配信を可能にするSpotcast、最近の携帯電話で注目されるオープンなOS:Android、さらにはモバイル教育のプラットフォームになりつつあるフリーソフト:netCommonsやMoodleやOpenPNEなどをとりあげ、専門家による解説を行います。ふるってご参加下さい。参加費は無料ですが、事前登録は必要ですので、下記により、登録をお願いします。なお、実演もいたしますので、ワンセグ対応の携帯電話機をお持ちの方は、ご持参下さい。

日時: 2009年1月30日
       午後1時30分~5時
場所: 富士通セミナールーム(浜松町、詳細は下記をご覧下さい))
主催: サイバー大学 
協力: 富士通(株)、(株)アスキー・メディアワークウス
参加費: 無料(ただし事前登録をお願いします)
参加人数: 先着60名(どなたでも参加できます)

 プログラム

1.モバイル教育の現状と動向  
   サイバー大学IT総合学部 
      石田晴久、久保田達也、勝真一郎
2.エリア限定ワンセグ配信ツール  富士通
3.携帯電話のためのオープンOS:Android
   日本Androidの会
4.モバイル教育の実践と可能性について
Open Sourceの活用:
        NetCommons, Moodle, OpenPNE
(有)ラウンドテーブルコム 柳沢富夫

申し込み先・問い合わせ先
  メール: mobile-edu-seminar@cyber-u.ac.jp
  (申し込みに際しては、氏名、所属、
   メールアドレスをメールでお知らせ下さい)

会場案内:
(1)ビル名と階数…東京都港区浜松町1-18-16
   住友浜松町ビル3階
(2)会場名…Enterprise Innovation Support Centerセミナールーム
(3)電話…03-6803-4801
(4)アクセス… JR浜松町駅[北口]より徒歩5分
       都営大江戸線・都営浅草線 大門駅
        [A2出口]より徒歩2分
以下はアクセスマップのURLです。
 http://jp.fujitsu.com/showrooms/eicenter/access/

サイバー大学に検索エンジンの研究者をご紹介

石田晴久先生に依頼を受けて、検索エンジンのスペシャリストを紹介した。

ここ10年程のおつきあいになるだろうか。以前金沢の印刷会社のコンサルティングをしていた頃、そこで働いていた李健さん。北陸先端科学技術大学院大学で検索エンジンの研究をされていたのを熱く語っていただいた事を思い出したからだ。その後、私の会社でも、ある企業の顧客情報の検索エンジン開発のお仕事を一緒にさせていただいた。人の縁とは面白いものだ。李さんは石田先生のファンでもあったことをどこかで覚えていたので,今回のお話に繋がったのかもしれない。やはり自分の好きな事、やりたい事などは、周囲の人に語っておくべきだと、つくづく思った。そんな話を今度自分の教えている大学の講義でも学生に紹介してみたい。夢を大きく語った欲しいものだ。

石田晴久教授退官記念パーティ石田晴久教授退官記念パーティ

IT系の人材からすると神様のような存在の石田晴久先生が、この3月末で10年間お勤めになった多摩美術大学を退職される。この春からはまた新たな チャレンジで日本サイバー大学への挑戦が控えており、まだまだそのバイタリティは衰えないが、日本での情報デザインという学問の普及は、石田先生なくして は起きなかった事だろう。

多摩美術大学で設立された「情報デザイン」の研究はその後、各美大でも新たな戦略学部として設置されてきた。

そもそも「情報をデザインする」ということはどういうことなのか。話し出すと大学の講座を一講座持てそうだが、私が今まで子供たちに伝えてきた、情報の収集、目標の設定、計画、実践、報告、反省、バージョンアップという学習のスタンスはここでも使う事ができた。

今後に期待するのは、こうした情報デザインを体験してきた学生達のコンテンツ及び大学そのもののサービスをひとつのメディアとして捉えて、どのように一般の人たちに発表していくかだろう。

今回は秋葉原のダイビルで展覧会を実施したが、その場所に行かないとどんな作品があるのかわからない、バーチャルでは体験できないという状態だ。 「インターネット放送」を授業で展開してきた私たちの希望しては、多摩美術大学放送局、武蔵野美術大放送局、芸術大学放送局、信州大学工学部放送局などが 続々とこの世に出てきて欲しいと願っている。

帰り際、学部長にこんな私の夢をぶつけてきた。