聖学院記念祭に行って来ました

プロジェクトマネジメント研修を学校教育現場に導入してくれた聖学院中学高等学校の記念祭(文化祭)に参加してきました。

 サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトで「宇宙エレベーター」をテーマに活動してくれた物理部は教室でレゴを利用した宇宙エレベーターの模型展示と、調べ学習をしたポスター展示をやっていました。生徒が生き生きと宇宙エレベーターについて解説してくれたのが印象的です。

また、NPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会の一員としてプロジェクトマネジメントのワークショップにも参加させていただきました。

フェリス女学院大学の教員としてレゴのワークショップ活動に参加させていただきました。

この経験を生かして、記録を残して、将来的には本格的な宇宙エレベーターロボットの世界大会を目指したいと言ってくれたのは嬉しかったです。学校の歴史の一ページを開けたかもしれませんね。

 

 

夏休みの修学旅行をテーマに蝶が岳に登山を行っているようです。NPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会がプロジェクトマネジメントのワークショップをサポートして、二年間にわたって学校行事のレベルアップに協力していきます。参加した生徒達が教室でのプレゼンテーションの時間にたくさんのお客様を引き込む為に「プロジェクトマネジメント学んで登山をしました!」と廊下で叫んでいた事が印象的です。

発表は、GPS付き電子カメラを活用して、登山途中で撮影した写真をグーグルマップにマッピングしてくれていました。インパクトのあるプレゼンテーションができあがりました。また、教室内にはレゴを使って蝶が岳の疑似模型も登場、こうしたアイデアは生徒自ら出て来たようです。素晴らしい!

これまでの作業のスケジュール表も掲載されていましたが、どのようにして変更が起こったのか、そのあたりのデータも比較で掲載すると良かったかもしれません。

エネルギーが余ったのか、登山時の写真のスライドショーとは別に、「広告用動画」ということで、遊びで作っていた、レゴで制作したロボットのコマドリ映像、とても出来が良かったと思います。ぜひBBCoach Projectにも参加してほしいと思い、先生方にも伝えておきました。

聖学院HiPM記念祭直前ワークショップ

NPO法人プロジェクトマネジメントインキュベーション協会の活動として、聖学院中学高等学校で記念祭(文化祭)をプロジェクトマネジメントするワークショップを実施。今回は記念祭当日を想定した、ワークショップ。

当日のスケジュールの確認、役割分担の確認、作業の洗い出し、WBS(ワークブレークダウンストラクチャー)の作成、工程表の一部の作成、そして今回はリスクマネジメントについての分析も実施した。

高校2年生が中心となり、1年生も一人参加。新しい聖学院の伝統をみんなで創り上げる事を意識してもらいながら、おざなりの作文ではない、後輩にも有効活用してもらえる生きたデータをどこまで作り出せるか問う、有意義な活動になった。

これからが本番。彼らが生み出すデータがどんな生きた資料になるか見守って行きたい。

 

聖学院、記念祭(文化祭)にプロジェクトマネジメント3

夏休みのまっただ中、朝から晴れきった暑い日だったが、午前中3時間程、PMの研修を実施してきた。

プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会からは清水計雄、伊藤緑、柳沢富夫、仁科斉、秋山氏が参加。
中心的な講師は仁科氏が実施した。

プロジェクトマネジメント計画書を作成。実際の記念祭をイメージしながら、運営委員会のメンバーが集まり、集中的に書類作りの練習をした。

作業割り出し、WBS、組織図、ラフスケジュール、工程表と進む。

 

特に今回は工程表を作成する際に、ある作業にフォーカスを置いて集中的に制作。ホワイトボードで議論を進めながら、抜けている作業はないか、順番は正しいか確認することができた。

最後に、今後のコミュニケーションコントロールの一つとして、社会人も交えて情報交流する為に、SNSを活用してもらうことを披露し、いつでも質問を受け付ける体制であることを確認しあった。「PM SNS」にまた新たなプロジェクトが立ち上がった。どんな記録を残してもらえるか、これからも楽しみだ。

 

2012年度学習環境調査:所有端末

学習環境ファシリテータ、学習コーチとしての活動として、2012年度になってから実施したアンケート調査です。

標本数:641人
中高生:56人
大学生: 585人

 

授業担当している学生、特別講演を聞いてくれた学生、サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトに参加してくれた生徒達を対象してアンケート調査しました。
アンケート実施期間(2012年4月〜7月)

まずは全体の平均です。

PC所有率は88.91%でした。10%強の人がPCを持っていないことになります。この10%をどう考えたら良いかは注意が必要です。

Macintosh保有率は2.18%でした。

ガラパゴス携帯の所有率は35.21%と結果です。それに対してスマートフォンの所有率が21.10%、iPhone所有率が23.19%と出ました。

iPodの所有率は40.17%。iPadは6.66%です。Walkmanは17.42%。

中高生と大学生のデータを分けて分析してみるとさらにおもしろい傾向が見られました。

PCの所有率ですが、中高生の所有率が96.81%でした。既に各家庭には子供達が自由に使えるPC環境が整っているということでしょうか?それに対して大学生の所有率は82.98%という数字が出ました。親元を離れている学生もいると思いますので、そのあたりが影響しているのかもしれません。

 

 

一方で、大学の分類別で見ると面白いデータが取れました。

特に文系女子の大学の所有率が低く、大学別で見たときに理系大学の97.73%に対して、文系女子大61.17%という優位差が出ています。せっかく大学側がPC環境で利用できるe-Learningを提供していても、利用できない学生が存在するということです。これは何か手を打つ必要があるということでしょう。

 

 

モバイル端末関係の所有率にも中高生と大学生の間で面白い傾向が見られました。

スマートフォン、iPhone、iPodのデータはいずれも高校生は平均値を下回り、大学生は所有率が高くなっています。パソコンの代わりにこうしたモバイル端末を活用している大学生が多いということでしょうか?

特にある女子大学ではiPhoneの所有率が43.33%と高く、ブームになって来ている感じもあります。

大学側が今度どんな学習環境の整備に力をいれていかなければならないか、示唆されるデータになっているのではないかと予測しています。

聖学院SPP:宇宙エレベータプロジェクトのプロジェクトマネジメント

2012年7月28日(土)、フェリス女学院大学の教室をお借りして、サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトの一環として、聖学院中学高等学校の生徒と一緒にプロジェクトマネジメントワークショップを実施した。
20120728seigakuin
始めにフェリス女学院大学の講師という立場で私から「なぜプロジェクトマネジメントを学ぶのか?」というタイトルで講演を実施。学習をプロジェクトマネジメントする力、自学自習できるような力をこのプロジェクトで身に付けてほしいという目標を共有させてもらう。
また、今回のプロジェクトは、生徒、教員を含めた学校とTA、講師チームの大学、そして社会人を中心としたNPO法人という複数の団体が参加しているプロジェクトであることを確認。コミュニケーションコントロールのツールとしてインターネットを活用して、プロジェクトの記録を残しておける環境としてSNSを活用することを伝えた。既に今日参加してくれた生徒25名達はSNSへの登録がほぼ済んでいることも確認できた。
次にいくつかのアンケートを実施。各生徒達のモチベーション、実力を探る為に、「学習環境アンケート」「01 Profile学習スタイル診断」「自己評価表」を記入してもらう。
PC保有率96%、iPhone+スマートフォン所有率35%、英語学習時間8時間/週という面白い数字を得る事ができた。また、学習スタイルについては、その後のワークショップのチーム分析にも生徒自ら活用していただき、チームの性格分析も自らしてくれたことも、めずらしい動きだった。
聖学院中学高等学校からは、英語科の高橋一也先生と増山望先生が参加していただいた。
内田1
内田2
マインドストーム
次にフェリス女学院大学の内田奈津子先生から、レゴのマインドストームの宇宙エレベータキットを実際に見せていただき、どんな物かの概説があり、その後チームごとに手に取って触ってみながら、質疑応答、プログラミングの画面等も実際に見てもらい、いよいよ本番が近い事を意識してもらった。発表は11月2日、3日に開催される聖学院中学高等学校の記念祭で行う予定。
午後は、プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会の仲間に集まっていただき、プロジェクトマネジメントの初級ワークショップ。
まずは、レゴを使った「モデルハウス制作プロジェクト」。お客様からの要求定義書を紹介し、一定の条件のもとでモデルハウスを作成してもらう。チームでの役割分担、計画、作業記録等を体験しながら、レゴでの家作りをしてもらった。今回は短時間だが、安くし上がってしまう家等は、お客様からの要求から乖離しているということで若干評価点数が下がってしまうというバージョンアップ版で挑戦してもらった。
モデルハウス
その後、実際に記念祭でのプロジェクトを意識してもらいながら、各チームのプロジェクトを整理してもらう作業に入った。11月発表ということもあり、短期間でのチーム力を向上させる必要もあり、いよいよプロジェクトが本格的にスタートできたいう実感が得られたのではないだろうか?
カイコ型宇宙エレベータ
カプセル型
老若男女が乗れるもの
プログラミングを小さく、ビデオに撮影
等様々なアイデアが各チームから発表があった。
フェリス+聖学院

聖学院記念祭とPM

伊藤豊
聖学院中学高等学校の記念祭(文化祭)をテーマにしたプロジェクトマネジメント研修が開始された。
2012年7月7日(土)、担当の伊藤豊先生を中心に13名の男子生徒達が集まってくれた。
研修担当はプロジェクトマネジメント・インキュベーション協会の伊藤緑さん。
研修内容は確実にバージョンアップされてきた。
学校の文化祭は始まりと終わりのある一つのプロジェクト。そのプロジェクトを改善する為に、プロジェクトマネジメントの考え方を導入する。学習の後にはしっかりとプロジェクトの記録が残ることだろう。その記録がこの学校の歴史の第一歩となり、今回参加してくれた生徒達はその歴史を作り上げるパイオニアになってくれると思う。そんな気持ちを伝えた後、研修はスタートした。
ビルダーとメッセンジャー
ビルダーとメッセンジャー2
まずはチームのコミュニケーション力を高めるワークショップ。
「ビルダーとメッセンジャー」
今回の研修はレゴの青バケツのセットがチームごとにあると、実施できる汎用性のある研修だ。
研修前に仕込んでおいた、三段のレゴの組み合わせモデルを、観察してその形態を言葉で伝えるメッセンジャーと、その情報をもとにしてモデルを組み立てるビルダーがチームとして活動する。
メッセンジャーは10秒/回×10回観察することができる。ゲームは二回実施して、二回目は少しレベルの高い複雑なモデルに作りこんでおく。
今回は3チームになり挑戦してくれた。一回目の挑戦は、全チーム失敗。二回目は1チーム成功してくれた。やはり一回目の失敗を分析して、しっかりとチーム内でのルール作りに挑戦したところが成功していた。
その後プロジェクトマネジメントの概要を若干だったが講義として時間をとった。
プロジェクトとは
・初めと終わりのある活動
・独自の成果を出す活動
・目的、目標を達成する為の活動
であることを確認。
そのプロジェクトをうまくやり遂げるためのhow toがプロジェクトマネジメントということであることを伝える。
さらにこの考え方は受験や、実際の仕事をやるときには役立つ可能性があるというコメントも伝えた。
モデルハウス
後半は実際に小さなプロジェクト体験してもらう研修。
「モデルハウス制作プロジェクト」
発注者からの要件定義が紹介され、要件にあったモデルハウスをレゴをで制作してもらう。
レゴには部品代として色などで別々の価格を設定。コスト意識もきちんともってもらう。
チームに分かれて、リーダーを設定。記録を残すもの(コントルーラー)、設計をおこすもの(工務)、実際に制作するもの(制作)と役割分担をはっきり決める。もちろん人件費も時間で計算される。
プロジェクトが完成したら、報告書を整備してもらい、チームごとに発表。
もちろんプロジェクトの反省もしてもらう。
今回の3チームに特有だったのが、2階建の2階部分の家としての機能に若干難あり。創造力豊かな生徒達が多かったのかもしれない。
次回は7月30日。「プロジェクトの定義」というお題でいよいよ実際の記念祭のプロジェクトマネジメントの学習に入っていく。楽しみな活動だ。

宇宙エレベーター研修

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト第二弾プロジェクトの始動!聖学院中学高等学校の生徒と共に宇宙エレベーターについて学ぶ。今回はオブザーバーとして参加。

講義は日本大学理工学部教授の青木義男先生。ゼミでも富士山で行われた国内の大会に出場しており、実際の大会の模様をビデオ映像で紹介いただいた。海外での大会では、NASAの職員も参加しているとのこと。全世界で叡智を結集しようとしている大掛かりで本格的なプロジェクトだ。

青木義男
日大理工学部、青木義男教授

宇宙エレベーター協会の会長の大野氏とは、実は以前ある仕事の関係でお付き合いしたことがあるのを思い出した。

まずは宇宙の話。地表から400kmの地点で展開している国際宇宙ステーション、36000kmの地点にある静止軌道衛星、100000km地点での宇宙エレベーター。のっけからやはり途轍もない大きなプロジェクトであることが想像できた。

様々な宇宙開発プロジェクトとの比較として機材の重量と費用の話も面白い。スペースシャトルは運搬量20トン/総重量2000トンで500億。国産のH2Aロケットは運搬量10トン/総重量290トンで100億。宇宙エレベーターは運搬量10トン/総重量20トンで10兆円。1週間で往復するそうだ。エコで効率は良いが、費用の点でどう着手していくか、戦略が必要。今後の技術開発で改善される事も多いようで、この辺りが技術立国日本の未来を引っ張ってくれるのではないかと可能性を感じた。

現在世界で最も強度のある宇宙エレベーターのコースになるカーボンナノチューブは鉄の20倍の強度があるらしい。ケンブリッジで実験が成功しているとのこと。

特にこの技術の応用でビジネス化が検討されているのは、日本で足りないエネルギー政策の一環としての宇宙太陽発電システムだそうだ。かなり期待されている模様。3基で日本の国土を全てカバーできる電力を生み出せるとのこと。5km×5kmの太陽光発電パネルを展開するアイデアがあるそうだ。

成層圏以外の宇宙の空間領土の問題や、太陽光兵器の心配をしたのは、創造力に傾きすぎた文系の心配かもしれないが、講演を聞きながらふとそんな事が私の頭の中でグルグル回っていた。


戸邉治朗

青木先生をアレンジしてくれたのはフェリス女学院大学の内田奈津子先生。以前国土交通省の「地球地図の学校」のプロジェクトでご一緒して以来の共同活動だ。聖学院には私の大学のゼミの後輩でもある高橋一也先生が中心になっていただき申請、今回は戸邉治朗校長先生に最初のご挨拶をいただき、副校長の清水広幸先生が授業を仕切っていただいた。

次はフェリス女学院大学で、プロジェクトマネジメントを学んでもらう。私の出番だ!

レゴのマインドストームを使った体験学習も学校でアレンジする予定。

 

聖学院中学高等学校
聖学院中学高等学校