新型コロナ以降の日本のオンライン授業は成功するか?

結論からすると、失敗を続けながら、成功に一歩一歩近づいていくと考える。

もう私たちはこの流れから逃れられないのだと思う。

失敗の可能性

  • GAFA以外のサービスに集中する場合
    おそらくサーバーダウンが起きる。サーバー増強まで、一時的に不安定。国策にするには税金の使い方が問題視される可能性あり。
  • 自治体、教育委員会が大手ベンダーとサーバーを維持する場合
    利用方法がかなり狭まる可能性あり。そもそも人材を集められるかどうか不明。大手ベンダーに丸投げが起きないことを期待するしかない。大手ベンダーは下請けに回すのであろう。

成功の可能性

  • GAFAのサービスに依存する場合
    データは国有財産にはならない。そもそもデータは個人の財産なので、それでも良いかもしれない。ただ、分析をさせてもらえるような集め方が必要だろう。
  • 地域大学と分散サーバーを作り込む場合
    できるのかどうかわからないが、可能性だけ指摘しておく。これまで培ってきた大学のノウハウが活用できる可能性あり。特に大学のセキュリティを活用できる。ただし、大手ベンダーに丸投げしている大学にはこのノウハウがない。ただし、データの保管をしている大学は少ないのではないか?どうやって学習ログを守るかの議論が必要。
  • 地域企業と分散サーバーを作り込む場合
    自治体、教育委員会との連携がどこまで進むかがポイントだろう。コミュニティスクールを目指すのであれば、この方法は社会に開いた学校が増える可能性あり。大手ベンダーの下請けの仕事をするよりはまし。

こんなことを自粛生活のゴールデンウィークに考えた。

地球を止めるな!〜みんなのSDGs会議〜」参加者募集!

これからSDGsの学習に取り組もうと思っている、子どもたち、保護者、教育関係者向けのイベントシリーズをサポートしています。
新型コロナの問題で学校に通えていない今、こうした課題にも取り組みたいと思っている方々、ぜひ参加してください。

主催:(有)ラウンドテーブルコム 国際的学習プログラム研究委員会
共催:PTA有志連合 「学びを止めるな!Don’t Stop Learning!」

品川区をSDGsで盛り上げる2年目の試み

今年もまたSDGsのイベント行います。

昨年に引き続き、会場は立正大学にご協力いただきました。

企業、地域、自治体、学校現場を繋いで、SDGsの課題にどこまで挑戦し続けられるか。そんなプロジェクトを起こす為のイベントになります。

是非少しでもこの動きにご興味のある方々、ご参集ください。

参加は無料です。品川区後援。

お申し込みはこちら

2020年新年に情報社会論を再検討

この年末年始、とある出版プロジェクトをお手伝いするのに当たって、情報社会論を見直してみる機会を得ました。

情報社会論は2014年にフェリス女学院大学での非常勤講師時代に授業で扱う事がありました。

2020年の今、仕事関係でSDGsアクティブローカルポイントシステム「L-TanQ」という概念を教育現場を中心に普及している活動を通して、こうした機会に巡り合えました。

***

お金が信用を基盤とする情報だと仮定すると、新たな世代が体験する世界にはどのような金融経済が展開されているのであろうか。また、我々にその準備は整っているのであろうか?

GAFAなどの巨大企業が個人情報を活用してさらにビジネスを拡大しようとしている。ヨーロッパでは2018年に個人情報保護法を運用し始め、こうした時代への対応をいち早く取り始めた。一方で、ESG投資をはじめとした、SDGsを社会課題として捉えその課題を解決するビジネスをレバレッジとして世界の基盤を再構築しようとする国際的な動きも、ようやく本格的に動き始めている。日本では特に大手企業が各事業体のビジネスについてSDGsのテーマに沿ってマッピングを行い、そこから新たなビジネス開発を共創する動きが見え始めている。一方で、教育の現場では少子化という大きな社会のうねりをいち早く体感している業界であるが故に、各組織の魅力化プロジェクトとしてSDGsに対するプロジェクト・ベースド・ラーニングに本気で取り組み始めている感度の良い団体も見え始めた。さらに、グレタ・トゥーンベリさんをはじめとしたこうした時代に生きている子どもたちの意識にも変化が起きているのを実感するほどの活動が芽生えようとしている。私たちはどのような時代に生きているのであろうか。

かつては、アルビン・トフラーやジョン・ネズビッツも、時代の最新情報をトレンド兆候として的確に捉え、分析、洞察することによって未来社会を模索していた。一方、日本では1960年代から情報社会を捉えている動きもあった。歴史的類推法も取り入れ、未来の情報社会についてその機会の開発者に視点を置いた発展段階を示唆したのは、労働省出身の益田米二氏だ。

国家が主体となり、巨大科学ベースで自然現象などを中心としたデータを扱う時代には、国家威信を価値観として、実際には宇宙開発競争などが起きた。経営ベースで経済成長を目標とした効率追求型の時代には、国民総生産が指標とされた。次は社会ベースで課社会課題に対して題解決型のデータが活用される時代、さらにその次は個人ベースで自己実現や知的創造型のデータが活用される時代と、4つの発展段階が示唆された。

現状を鑑みると、このレイヤーは順序だって発展していくのではなく、ほぼ入り混じった状態で、各主体のパワーバランスによって社会が支えられているかのように見える。新たな情報社会とはこうした時代に突入しているのではないであろうか?

だとしたら、私たちは今新たな世代が体験する情報社会に向けて必要とされる準備をどのように整えるべきなのであろうか。少なくとも、情報を出す個人にもその責任が生まれ、個人が出す情報が社会にも影響を与える時代に突入していくことは明白だ。情報の価値を生み出す可能性が社会や個人にまで出てきているのだとすれば、そのコントロールをする経験をしておく必要がある。そうしたニーズは新たなビジネスモデルを構築する手法にも反映されてくるであろう。

先にSDGsの動きで大手企業と教育の現場に触れたが、ここを繋ぐのが中小企業や地域のコミュニティである。教育現場を起点とした小さなムーブメントが、地域や中小企業さらには大手企業や国を巻き込む形で、スパイラル的に発展していくことを期待している。

***