今時の高校生の携帯事情

NPO法人Canvasからの告知メールのお誘いを受けて、KDDIの主催する「シンポジウム2011みんなの携帯サミット」をのぞいてきた。日曜日の午後なのに会場は結構一杯になっていた。

前もって高校生達からのヒアリング調査も実施した上での、高校生を交えてのパネルディスカッションの部分を拝聴させていただいた。高校生の携帯2台持ちの状況などは予想できたが、既にガラケーからの離脱、スマートフォンへの移行が急速に伸びていることは少し驚き。50%近くの高校生がiPhoneも含めスマートフォンを持っているとのこと。これは今後のe-Learningの環境づくりにも大きく影響を与える数字となってくるだろう。

久しぶりにCanvasの石戸奈々子さんのお顔を拝見、さらに懐かしい埼玉県総合芸術高校に転任されていた、西澤廣人先生も登壇されていた。早速メール交換。中村伊知哉氏とゆっくりお話する機会ができずに残念。また次回を期待しよう。

生徒の向き合う時間を創り出した学校

学校現場の先生方が疲弊している。
いじめ、不登校、学力不足、モンスターペアレント、進学重点校対策、スーパーサイエンスを始めとする先進的なカリキュラム構築や運営等等、学校現場には様々な課題があり、学校の先生は大変だという話がある。

様々な報告書類の提出、会議の連続、様々な原因は考えらえられるが、組織のあり方を根本的に考え直す必要があるのかもしれない。プロジェクトマネジメントの概念を導入して学校の組織改革を行うという実践も必要であろう。少なくとも、プロジェクトが終了した時の感動を先生方は味わって欲しいが、目標をきちんと設定していないが為に(なるべく評価されないような目標を設定してしまっている為に)、その感動を味わえずに、疲弊ばかりしてしまうことも多い。

私は時間を生み出しながらも生徒とのコミュニケーションの質と量を増やす為に、ICTの技術を活用すべきだと考えているが、今回、こうしたICT技術以外で改善してしまった事例を見る事となった。

日経新聞(2011年2月7日)の記事を読んで、早速訪れたのが、東京都東村山市の大岱(おんた)小学校の西留安雄校長。

この学校は校長が在任の7年間で、問題学校から先進的な模範校へと変革を体験した。組織そのもののあり方が変わったのだ。
西留安雄校長はこの学校で校長経験2件目だったそうだ。通常3年程で交代になってしまうところを、延長して大岱小学校の改革に取り組んだ。

その目標は明確だった。
生徒と先生が向き合う時間を創りだす!

その為に無駄な作業を先生に課さないよう留意し工夫する。
組織変革の必要があれば、それまでの常識を打ち破った改革を実施する。
できた時間を活用して、教員同士が学び合う仕組みも取り入れ、生徒には学習の記録を日誌のようにつけてもらう。貴重な学習記録ノートがうず高く積まれていた。それをもとに一人一人の生徒の学習到達度を確認しながら、学習環境を整えて行く。学習到達度が遅れた子供たちにはドリル等を学校で用意して、補完授業の為の時間も創りだしていた。
運動会等の学校の行事にはOBである中学生や親御さんのボランティが応援。地域で学校を支えている姿も見いだされた。
ごく普通に起こっていなければならない事項ばかりなのだが、実はこれは学校現場では実現できていない場合が多い。
一人の生徒が頑張ってもだめ。一人の先生が頑張るだけでもだめ。それを取り囲む組織全体がこうした作業を応援するように変革されていなければ、決して長続きすることではない。

その施策が特殊なので、例えばメディアでは「職員会議を廃止」などという文字が踊るが、ポイントはひとつ。PDCAサイクルの後半を、プロジェクトの直後に行うという基本姿勢だった。反省はすぐに行い、改善計画を即座に立てる。改善目標がはっきりしていて、到達することが可能な計画が練られる。恐らく達成感も味わえる職場環境なのだろう。その意識は、教室の中にまで波及していて、教室は各先生方の細やかな工夫のかたまりがそこかしこに表現されていた。各先生が生徒達に達成してい欲しい目標やそのノウハウをわかりやすく図示していたり、あらゆるところで、生徒が達成した学習記録を誉め合う仕組みが施されている。一年中文化祭が展開されているような感じに見えた。

ちなみに大岱小学校では、各学年で他の小学校と比較して年間100時間程の学習サポート時間を生み出している。

この活動をぜひ西留校長の引退後も続けて欲しい。
続ける為の運用ノウハウは充分学内に溜まっている。
またこの活動が広く普及して欲しい。
その為の応援を私ができるのであれば、サポートを続けて行きたいと思った。

久しぶりにすがすがしい学校訪問だった。

尚、近々西留校長は本を出版されるという話も伺った。
今度「本のある時間」でも紹介してみようと思う。

また、全国の先生方が集まる発表会も近々に開催されるようだ。
2011年2月19日(土)
大岱小学校
〒189-0011 東京都東村山市恩多町4-17-1

本当の視聴率調査

TVの視聴率調査は統計学的な調査であることは皆さんもご存知でしょう。

インターネットの広告費が伸びています。ラジオや雑誌を追い越して、どこまでつきすすむのか、ウェッブでのマーケティングが今後ビジネスの中核になってくることは間違いないでしょう。

なぜ、こんなに伸びているのか?

恐らく、実際にアクセスしたログを中心とした解析が可能であることが、その核心でしょう。
もちろんその仕組みを逆手に取った、ちゅっと首を傾げるデータ作りも起こってくるでしょうが、様々な新しいソリューションがその不満を改善して、日々真実のデータ作りに向かって、着実に進歩し続けています。

ここ数年、SUS4の森中氏とは、様々なところに出向きました。

大手広告会社の方にもプレゼンテーションした事もありましたし、私自身はこのネタを持って、雑誌やTV局関係の方とも、情報交換したことがありました。

ネットでの広告には動画が効果的か否か?

この本には様々な事例が取り上げられています。

もちろん効果的。

但し投資対効果が得られているかは、そのデータを解析すべきだということでしょう。

動画作成には費用がかかりすぎるとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。

そういた不安、不満を持った方にも、今まで見えなかった事が見えてくるはずです。
ログを解析すること。それをある程度自動的にやってくれるソリューションがここでは紹介されているのです。

大切なログ、取得できているでしょうか?

米国の大手企業のおんぶにだっこで、済ませて満足している人いませんか?

私の会社でも、これまで様々なIPTV、インターネット放送局等の提案をして来ましたが、これからが本番が始まる気配を感じています。

インターネットでの動画配信をお考えの方、ぜひご相談ください。

奈良まほろば館ロケハン

6月の講演の映像配信の為のロケハンを企画。

NPO法人 Layer Boxから月森様、山口様
奈良まほろば館から 奥田様
尚美学園大学から 定平先生、石井先生、そして学生のみなさん
関東学院大学から 柳沢
V-cubeから五十嵐様、川口様
日本ディストリビューターから八巻様

というメンバーでロケハンを実施

スーパーサイエンスハイスクールの授業見学

スーパーサイエンスハイスクールの授業を見学してきた。

学校によって、様々な取り組み方があるが、今回は下記のような授業を見学した。
「探究基礎」
一学年330名程の学校。その内の一クラス40名を定員として、SSH用のクラスを設定。この数年応募者が40名以上(倍程度になることもあるとか)になるので、一年入学時に面談及び小論文提出等によって選抜。
先週受講した北極探検隊の人から講義を元に、4名程度の班をつくり、講義を聴いた後のまとめを作成していた。視点は班ごとに生徒が決めて良い。まずは発表のまとめのタイトルと文章を作成(今回の授業がその日だった)。次にパワーポイントで発表内容をまとめ。最終的には5分で口頭発表をする。というプロジェクトの最中だった。
各グループが相談している間に、私も中に張り込みヒアリング。どうやら前回の講義は「南極の氷を溶かしてみると中の空気が出てくる音を聞くことができる。南極にも池がある。コケが生息している。それとは別に氷床湖沼というものもみつかっている。」というポイントがありそう。これをもとに生徒達がどんな発表をするかが課題だ。
あるグループは南極の氷を調査することで地球の温暖化の状態を比較できるというポイントに注目していた、あるグループは生息しているコケ植物に焦点を当てていた。あるグループは氷床湖沼にも生物がいて暮らしているという事実とは異なる事をまとめようとしていた。これはさすがに先生から再度事実を整理してまとめなおすように指導が入っていた。
早々にポイントを整理してパワーポイントを作成しているチームも出現。「家に帰ってもパソコンはあるの?」「パワーポイントはあるの?」と質問してみると、4名中3名が家に帰ってからの作業は不可能なことがわかった。うーん、このあたりは要検討の必要がありそう。学校の授業時間内はグループ学習ができるが・・・これはどこの学校でも起きるICT学習環境の問題。また、理科実験室での授業だったので、パソコンはインターネットに接続されていない。さらなる調査をしようにもインターネットに接続されていない状態、図書館にも行けない状態では、調べようにも調べられない。このあたりの学習環境のリミッターは運用次第では改善の余地がありそう。
班のディスカッションがなかなか進まず、煮詰まっていたチームには、「自分がテレビ局のプロデューサーになったとしたら、番組にどんなタイトルをつけますか?」「いってQの番組作りだとしたらどんな視点で南極を見ますか?」と質問してみた。思わぬ方向からの質問だったのか、発言に勢いがついてくれた。

「SSH物理」
特殊相対性理論についての書籍の輪読が終了。この理論を踏まえながら、2名の班を形成して、オリジナルストーリーを制作。パワーポイントにまとめて発表。というプロジェクト。今回はちょうど班に分かれて、オリジナルストーリーをどう作り上げて行くか、ディスカッションしている最中だった。
なかなか面白い試み!ショートムービーなんかにもして欲しいなと話しかけたら、来年の文化祭で作り上げる映画製作の挑戦の話題に華が咲いた。実はこの学校3年生が全員、クラスごとに映画を製作し続けている。少なくても30年程は続いている伝統だ。

「SSH化学」
コロイド状態の物質を作り、光の通り方を確認する実験が行われていた。

高校一年生、二年生の授業を見る事ができた。講義式の授業より、参加生徒はリラックスした状態で授業に参加しているのが見て取れた。全てがプロジェクトベースドラーニングになっているわけだが、プロジェクトマネジメントの視点を積極的に導入すべきかなとも感じた。恐らく、生徒には授業だけが見えていて、その他の授業との連携、どうしてこのような勉強をしているのかという理由づけが、うまく伝わっていないかもしれない。考え方、学び方の基礎を経験している最中であり、さらにそれを発展させて、アカデミックな思考方法を身につけるというところをゴールとしているのを、もう少し気づかせるべきかもしれない。

ちなみに、このプロジェクトの運営は「優れた化学技術系人材に必要な知識と素養」を身につける為という憲章がある。しかし、アカデミックライティングの基礎まで学べているのは全校で6名程度しかいないことがヒアリングでわかった。パワーポイントの発表が流行っているのは良いが、その資料作りには参考文献資料のまとめ方や論文の書き方の初歩程度までは、全員に体験してもらえるような工夫が必要ではないかと感じた。

プロジェクト・マネジメント評価項目

この評価項目は、柳沢富夫が経験を元にオリジナルに整理したものです。
今後プロジェクトを通して、修正バージョンアップをしていきます。
自己診断ができるように整理しています。
将来的にはプロジェクト・マネジメント学習履歴管理システムを構築して行く予定です。