土曜講座

公立の小学校での塾業界と市区町村の教育委員会が連携した「土曜講座」が注目を集めている。この動き、どこまで普及するかしばらくはウォチング状態だ。

モンスターペアレントの要望による学校現場の進学塾化傾向、そのサービス機能をもともと持たなかった(否定して来た)学校現場の進学指導力不足、話題性のあるプロジェクトの展開で報道を動かすことで社会貢献的仕事が達成されたと満足する現場、少子化傾向でマーケットの縮小でもがき続ける塾業界、様々な思惑が混ざり合いなんとなくうまくマーケットが形成されようとしている感じがする。もちろん、新たな学習環境が格安な状況で生まれてくるという方向性そのものは、私としては大歓迎したいが、どうも裏で動いている思惑が少し気にかかる。

この動きも選択できる学習環境一つ増えたぐらいであると考えられるのであれば、どんどん普及してくれれば良いと思う。しかし、普及を阻む要因として以下の事が考えられる。

1)決して塾業界は儲かる仕事ではないこと。現在はプロ中のプロが派遣されている人海戦術作戦。

2)教育委員会としてもこれまで否定してきた塾業界と連携することにアレルギーがある人がいること。

3)本気で取り込める教員がサポートしないと、決してうまく機能しないこと。つまり進学率を上げるには相当なパワーがいること。子供たちも学習意欲が継続できる状況があること、どうしても本当の塾に通えないという経済状況が揃っていること。そうしないと、ある時期になると一斉に土曜講座には参加せずに本当の塾に通ってしまうということになりかねない。

学校って進学塾や予備校とは違ったから面白かったのではないかと、個人的には思う。子供たちはきちんと使い分けていたはずなんだけど、余計な大人の工作はかえって邪魔になるのではないかとも思う。

実はこの動き、高校には予備校がサポートするというスタンスでとっくに始まっている。しかも衛星放送を活用したり、最近ではインターネットを活用したりと、コスト削減方法を取れば塾としてもビジネスになるので、継続的なサポートが提供できる。でも本当にそれで実績があがるのかどうか・・・やはりそこでも学校現場での人間によるサポートとか、なんらかの人によるサポートが必要なのだろう。コンテンツ+サービスが重なり合って初めて持続的効果的学習環境が作り込めるのではないだろうか。01 Virtual Schoolで提供しているネットを活用しての学習コーチング技術は、そのあたりにもお手伝いできる可能性があると信じている。

実は、この日、私が商談していた早稲田アカデミーにはフジテレビの取材が来ていた。藤原校長が挑戦している中野区の公立中学での平日夜の優秀な生徒に対する試みにも都教委がちゃちゃを入れ始めたという動きや、千代田区、港区で早稲田アカデミーが提供してきたサービスとの比較、取材ネタはいくつかありそうだ。どんな切り方でメディアが捉えるのか、お手並み拝見と言ったところだ。

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