某高校SSH運営委員会

「スーパーサイエンスハイスクール」というのをご存知だろうか?
「この学校は理系の学習に力を入れています!」というのをアピールできる企画。科学技術振興機構というところが恐らく文部科学省の予算を学校に配布して、 特別授業を実施させるというもの。配布されるには校長生成の緻密な企画書が審査される。つまり第一段階では校長生成の資質が問われるという仕組み。
いつの間にかSSHの学校にされてしまった現場の先生方はとっても悩む。生徒も余計な学習にチャレンジしなくてはならなくなってまた悩む。みんな忙しい忙 しいと言いながら、「報告」しなければならないから、次のプロジェクトの予算が取れないからという理由もあるのか、一生懸命創意工夫して授業を展開して、 報告書を作成するわけだが、これがとてつもなく大変な作業量だ。
それでも戸山はすごい!とんでもなくすごい授業が目白押し。先生方の力量がやはり違うのか。相当張り切って授業展開しているので、公開授業もなかなか面白い。生徒もプレッシャーを感じながらも、ついて行っている。さすが我が母校!(私はしっかり文科系だだけど。)
長瀞の地学巡検をテーマに、一年生が講堂でグループ発表をしていた。生物の時間に生徒一人一人にテーマ持たせて、研究を促している授業もあり、通常より実験時間を多く仕組んでいる化学の時間も拝見させていただいた。
ちょっと心配だったのが、本当にこれで子供達の自立的学習が身に付くかという問題。もちろん若いうちからトレーニングを積んで、すばらしい科学者を育成す るというのがこのプロジェクトの目的だが、何かとても詰め込みすぎている感じがしてならない。そこに子供達の自主的な学習が本当に起きているのかどうかの 検証はまだされていない。先生方のマスターベーションと言ってしまえばそれまでだが・・・
これを回避するにはどうしたら良いか。私が今まで実践してきた方法を使ってくれれば良いのではないかとふと考えた。
まず、先生方も参加型のコミュニティーをネットで形成する。そうすると縦割りで、隣の先生が何をしているのがわからなかった先生方の情報交換が可能にな る。つまり、子供達が似たような課題をあちこちでやらされるという過重負担を防ぐことが可能だ。本来ならオープンコースウェアーにして「公開」すべできだ ろう。なにしろ、税金で実施されているプロジェクトなのだから。
次に、子供達の学習のログをきちんと残しておく。しかも、学校全体で共有できるように。現状では担当の先生方までで、細かい情報はなかなか取得できない状態。これではせっかくのすばらしい授業の体験も後輩達には全く伝わらない。
さらない。「公開」を目的とした子供達の作品、コンテンツの発表とデータベース化。これは学校の資産になる。
私がこれまで関わってきた授業、学校運営は以上の方法を徹底的にやってきた、そこまでする必要はないのではと、仲間の教員に指摘されたりもしたが、その意味は本当に大きな物だと実感した。どれ一つとっても今の学校の現場には実現できていない。

最後に、このプロジェクトに起因すると思われる、子供達の体の異変が起きているそうだ。蕁麻疹が4名出ている模様。これは問題だ!と指摘する先生方 はいたが、ではいったいどうするかという回答が出てこなかった、運営委員の方でも、ある程度のドロップアウトは仕方ないという声も上がったのだが・・・私 はそうは思わない。
パッケージ型、紋切り型の授業する為に、こうした予算が降りているとはとても思えない。こういう問題にぶち当たった時の次の戦略を開発する為に、こうした試みがあって欲しい。そう願うのは変人だからなのだろうか?

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