宇宙エレベーター研修

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト第二弾プロジェクトの始動!聖学院中学高等学校の生徒と共に宇宙エレベーターについて学ぶ。今回はオブザーバーとして参加。

講義は日本大学理工学部教授の青木義男先生。ゼミでも富士山で行われた国内の大会に出場しており、実際の大会の模様をビデオ映像で紹介いただいた。海外での大会では、NASAの職員も参加しているとのこと。全世界で叡智を結集しようとしている大掛かりで本格的なプロジェクトだ。

青木義男
日大理工学部、青木義男教授

宇宙エレベーター協会の会長の大野氏とは、実は以前ある仕事の関係でお付き合いしたことがあるのを思い出した。

まずは宇宙の話。地表から400kmの地点で展開している国際宇宙ステーション、36000kmの地点にある静止軌道衛星、100000km地点での宇宙エレベーター。のっけからやはり途轍もない大きなプロジェクトであることが想像できた。

様々な宇宙開発プロジェクトとの比較として機材の重量と費用の話も面白い。スペースシャトルは運搬量20トン/総重量2000トンで500億。国産のH2Aロケットは運搬量10トン/総重量290トンで100億。宇宙エレベーターは運搬量10トン/総重量20トンで10兆円。1週間で往復するそうだ。エコで効率は良いが、費用の点でどう着手していくか、戦略が必要。今後の技術開発で改善される事も多いようで、この辺りが技術立国日本の未来を引っ張ってくれるのではないかと可能性を感じた。

現在世界で最も強度のある宇宙エレベーターのコースになるカーボンナノチューブは鉄の20倍の強度があるらしい。ケンブリッジで実験が成功しているとのこと。

特にこの技術の応用でビジネス化が検討されているのは、日本で足りないエネルギー政策の一環としての宇宙太陽発電システムだそうだ。かなり期待されている模様。3基で日本の国土を全てカバーできる電力を生み出せるとのこと。5km×5kmの太陽光発電パネルを展開するアイデアがあるそうだ。

成層圏以外の宇宙の空間領土の問題や、太陽光兵器の心配をしたのは、創造力に傾きすぎた文系の心配かもしれないが、講演を聞きながらふとそんな事が私の頭の中でグルグル回っていた。


戸邉治朗

青木先生をアレンジしてくれたのはフェリス女学院大学の内田奈津子先生。以前国土交通省の「地球地図の学校」のプロジェクトでご一緒して以来の共同活動だ。聖学院には私の大学のゼミの後輩でもある高橋一也先生が中心になっていただき申請、今回は戸邉治朗校長先生に最初のご挨拶をいただき、副校長の清水広幸先生が授業を仕切っていただいた。

次はフェリス女学院大学で、プロジェクトマネジメントを学んでもらう。私の出番だ!

レゴのマインドストームを使った体験学習も学校でアレンジする予定。

 

聖学院中学高等学校
聖学院中学高等学校

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