自由学園の学園長との再会

先日、自由学園を初めて訪問することができた。

以前から気になっていたのだが、なかなか訪問する機会までに発展していなかったのだが、縁あって副学園長の高橋和也先生からのお誘いで実現した。

10年以上続けて来たK-12のクリエータ向けWebコンテストのBBCoach Projectのイベントの一環として、今回、学習コーチングに関してのワークショップを開催することになり、告知活動をしていたところ、高橋先生からメールをいただいたのだった。

BBCoach Projectとはプロジェクト・ベースド・ラーニングを体験できるコンテスト。チームでの参加が義務づけられ、さらに社会人の学習コーチも参加が必要という、少しハードルの高いコンテストだ。2003年から続けて来ている。

東京の郊外に位置する自由学園へは、自家用車で向かった。東京女子大学に通うのと同じ方向で青梅街道を進み、西武池袋線のひばりがおか駅を目指す。それは広大な敷地の中の森の中にあった。

高橋先生と共に校内の散策を楽しんだ。男子の中高、小学校、女子の中高と回ったが全ての校舎の作りが、食堂を中心に出来上がっている。人間は食べる事が基本。最近の学校教育では忘れ去られてしまった生活を中心とした教育が根付いていた。しかも校舎のデザインが素晴らしい。フランク・ロイド・ライトのお弟子さんのデザインとか。西池袋に明日館はロイド自らが設計している。建築資料としても一級品だろう。

キャンパス内に農園はあるし、豚も飼育している。竹林もあり、薪割りをして食堂で実際に使っているそうだ。都心の学校では、ビルの屋上にわざわざ農園を作り込んで無理くりの農業体験を提供しているところもあるが、この学校では校内に小川も流れ、小道には最近集めたイチョウの落ち葉等を敷き詰めていたり、自然そのものの中にうまくとけ込んだキャンパス作りがされていた。しかもその環境を子供たちの自治でまかなっているとのことにはさらに驚き。「こんにちわ」「お疲れさま」等の声が自然と子供たちから発せられる環境が出来上がっていた。

高橋先生からは、学園の中では様々なプロジェクトが稼働していることを伺った。私もその実績をもっと教育的に活用すべきであること、プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)という手法をその中でもっと活用できないかと語り合った。そんな散策を終えて、高橋先生が突然携帯電話を手にとって連絡をしてくれた。学園長と面談できるか急遽整えてくれたようだ。

実は学園長とは今回が二回目の出会いである。一回目は2003年の日本学術会議の大会だった。その当時、東大名誉教授の故石田晴久先生の紹介で出逢っていた佐伯胖先生から招待を受けて、講演をさせていただいた時だった。自由学園の教育を矢野恭弘先生が語り、私はインターネット上のバーチャルスクールの運営について説明をさせていただいたのだった。

今から考えると、どうもこの二つの教育、別物に見えて、似ているところがたくさんあるのではないかと感じる。

ひとつは究極の個別指導を目指していること、もうひとつはプロジェクト・ベースド・ラーニングの環境が整っているという点だ。

なかなか一般の学校では手の届きにくい、学習環境なのだが、どうやってその環境を現代の子供達に利用してもらうべきなのか、今後も一緒に考えていきたいと思う。素敵な出会いに乾杯!

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