tk-iptv

「Takamiyans’ Internet TV」を構築しました。

大学のゼミのインターネット放送局です。教授の公開講座などを中心にゼミ活動を放映していきます。

http://tk-iptv.roundtable.o.jp/

「情報教育」と「繋がる」というテーマ

知人に依頼されて、ある都内の私立女子高校の一年生の情報の授業を使って、2時間程講演をして来ました。

カトリック系の中高一貫校で、一瞬学内に入った時には、朝礼のお祈りの声のせいか厳粛な「始めての感覚」の雰囲気を感じましたが、いざ視聴覚室に入り生徒達を前にすると、やはり一般の学校と変わらない10代の子ども達の闊達さに安堵しました。

今回の講演に当たって、伝えたかったのは「なぜ、情報を学ぶのか」「どのように学ぶのか」という点です。

まず、自己紹介をするにあたって、一方的な話にならないように、生徒達にカードを配布しました。生徒の考えている事を共有したかったからです。本来 ならメールやWebでアンケートを取るのが簡単なのですが、この学校の視聴覚教室にはプレゼンテーション用のパソコンがあるだけで、生徒の席からはパソコ ンにアクセスできません。いわゆるアナログの手段です。

問いは次の3つ。
1 先週面白かった事は?
2 今週やってみたい事は?
3 将来やってみたい事は?

いきなり、「将来の夢は?」と聞いてもなかなか出て来ないのですが、こうした質問にすると、割と効率よく返事をもらえるようです。

それでも3番目の質問で、4分の1程度で一番多かったのが「未定」でした。
次が、クリエイティブ系。コンピュータを使った仕事、映画、漫画制作、建築と言った物を作り出す仕事に興味を持っていた女子高生が13%程いました。ま た、医療福祉系という方面を目指している子も国際派の仕事を目指しているのと同じくらい7.5%程いたのが目立っていたと思います。

私は、大学時代文系の学問を修め、理系の社会人教育を経て、35才の時に転機を迎えて、独学でのインターネットの知識をつけて、「インターネットと 教育」をテーマに活動し始めた話をし、専門家になってきたことをお話しました。きっと生徒達からはとりとめの無い話になってしまったかもしれません。
でも、質問に出たのが、理系と文系での情報の学び方の違い?であったり、最後に質問に来てくれた子が、ゲームクリエータになりたいけど、専門学校と大学どちらを選んだら良い?という質問があったり、わりと話を聞いてくれたのだなと感じました。

前の質問には、あまり理系・文系と区別しすぎるのも良くないと思うと回答ました。
後者の質問には、学校の種類を選ぶのではなくて、そこでの自分の活動がネットワークづくりを中心にできるか否か、一生懸命自分探しが出来た方どうかが大切 で、基礎作りの時期なんだと説明しました。また、そうした自分の実績がその後の活動には大きく影響してくる可能性があるというような回答をしました。

そういえば自分も同じような悩みを抱えていたのではと思い出されました。

本題のテーマとしては、慶応義塾普通部での授業がそうであったように、アットマーク・インターハイスクールの学校作りも、結局は「人と人を繋ぐ仕 事」であったこと。その仕事にはインターネットやコンピュータの知識は不可欠であったこと。必要であったから学ぶのも苦ではなかった事などを説明しまし た。エクセルや,ワード、パワーポイント等のソフトを覚えるのは、最終的に人に伝える物を伝えやすくするためであること、ホームページや動画の時代になっ てもそれは何も変わらないこと、情報をデザインするということは、どんな情報を持っていて、どのように自分の中で消化吸収して、それを相手に分かりやすい ように伝えて行くかの作業であることなどを語りました。

しかし、圧倒的に進歩したことも忘れてはいけないと。つまり、コンピュータは「繋がっている」ということ、繋がった先には「人」がいるということ。 人が繋がった時に何が起きるか、どんな事が出来るようになるかを真剣に考えてみて欲しいとお願いしました。繋がる事によってのメリットもデメリットもある と思います。その点をきちんと自分で把握して、自分なりの「情報」を学ぶ理由を見つけ出して欲しいと願っています。

多摩美術大学情報デザイン学科2006年度卒業生展覧会講演会

2007年 3月 3日 (土曜日)

13:00から14:30までの間で、石田晴久先生、佐藤皇太郎先生、柳沢で、記念講演を行いました。私の担当は「動画PodCastingと美大生の可能性について」。

1時〜1時半
バンダイ・ナムコ企画室 佐藤皇太朗 「情報デザインコースにおけるアニメーション教育」
課題の出し方、目標の設定など提言があり、学生の制作したコンテンツを発表していただ
いた。

1時半〜2時
柳沢富夫 「動画PodCastingと美大生の可能性について」
美大生に期待する事として「Produce Your Own Media」を提唱。
インターネット放送の2つのソリューションの紹介。
ビーケアー IPv6によるマルチキャストとは
エムログ Telebeeの紹介、大学での使い方の例の紹介と無料サイトへの勧誘

2時〜2時半
4月から日本サイバー大学総合情報学部学部長 石田晴久
日本サイバー大学設立の経緯から、今後の学制像の期待など。

このチームで授業を2年間運営してきたことは、とても貴重な体験になった。次世代の環境をアートに敏感な学生とともに模索できたこと、現状でできな ない事の不満を整理して新しいソリューションを探すきっかけになったことなど、これからの私自身のビジネスの展開にも有意義な体験だった。

3月26日には、BBCoach Project(http://bbcoach.roundtable.co.jp)でもこのチームは再会する。
これからも長いおつきあいを続けて行きたいと願っている。

2014年の未来予測

話題の未来予測ムービーの日本語字幕版です。
学校現場で教材として使えるでしょう。
http://www.probe.jp/EPIC2014/

英語版ですが2015年版が下記サイトにあります。
http://www.albinoblacksheep.com/flash/epic

やはりiPodの生み出す世界がイマジネーションをかき立てますね。
みなさんならどんな未来を予測しますか?

参考サイトとして
http://nikkeimedialab.jp/blog/2005/05/post.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/06/news099.html
をあげておきます。

都立高校の総合学習履修漏れ騒ぎ

まったく最近のメディアには困ったものだ。
記者の勉強不足による、謝った報道で子ども達の心が傷ついた。

2006年12月12日の大手新聞社の報道によると、都立高校の一部で総合学習の時間があたかも受験向けの学習に振り替えられているという状態を暴 いたような記事が掲載された。若手の地方局の記者の早とちりである。現在都教委が中心に再度調査をしているが、名指しで報道された私の母校では、規則に 則ってカリキュラムを構成しており、システム的には全く問題ない教育を実践している。実際に都教委では履修漏れは八王子東高校の公民のみで、他の学校では 履修漏れがなかったと報告されている。

恐らく、昨年の一連の報道の流れでうがった目で記事にしてしまったのだろう。しかし、こうした報道は子ども達の心を傷つける。特に進学校をターゲットに悪い風評を拡げた事実を記者はどう責任を感じているのだろうか?

私は、現在母校の学校運営連絡協議会の委員もやっており、他校と比べても履修の内容が伝統的に濃すぎる学校で、文系の生徒にも理系科目をみっちりと やっている学校と認識している。私が生徒だった頃からその伝統は変わっていない。各科目の先生方の教授法もとても優れており、科目の学習自体が既に総合的 学習になっている授業も少なくない。課題研究も多く、それだけでも他校と比べると子ども達の負担が大きいのに、どうしてこんな報道が起こるのか不思議なく らいだ。

恐らくこの記者の未来はないと思うが、いくらなんでもまったく正反対の受験勉強とはかけ離れた学習を重視している学校を名指し攻撃するとは、ミスジャッジもひどすぎる。

都教委から断固とした抗議声明を出して欲しいと願っている。

こんなつまらない件で、半日拘束されて会議に出席させられた。私は他の仕事をしていたら高額の時給を取る訳で、私にも間接的に損害が及んだと思う。

早稲田総研

石田晴久先生の紹介で以前訪問させていただいた早稲田総研に行ってきた。早稲田大学が出資している企業でe-learningサービスを提供してい る。ヒアリングしてみるとちょうどポッドキャスティングを検討しているタイミングとのこと。やはり今年はインターネット放送元年になりそうだ。

01 Virtual SchoolのSNSを公開しました!

01 Virtual School のソーシャルネットワーキングサイトを公開しました。
TLC(Tokyo Learning Centre)プロジェクトの一貫として01 Virtual Schoolへの参加者の為のソーシャルネットワーキングサービスを開始しました。http://01sns.roundtable.co.jp
参加には紹介者が必要です。
有限会社ラウンドテーブルコム
(http://www.roundtable.co.jp/)のコミュニティサイトに登録(無料)して紹介してもらうか、
新しい学校の選択肢:01バーチャルスクール
(http://01school.roundtable.co.jp/)
に参加登録(無料)をしてみてください。紹介者がみつかるはずです。

メディアリタラシー教育

メディアを活用して、自己表現をコントロールできる人材教育」と定義しようか。

「メディア」って何?
昨今、ポッドキャスティングで自分の放送局を持つ事も夢ではなくなってしまった。こんな時代だからこそ、自分をコントロールする術が必要なのだろう。

テレビが悪い!テレビゲームが悪い!BBSが悪い!SNSが悪い!携帯が悪い!と大人が叫ぶ。その為には悪いコンテンツを排除して、良いコンテンツを配布するコンテンツ流通を整備する必要があると指摘される。

デジタルが悪くて、対面でコミュニケーションしないのが悪くて、だから子供達のコミュニケーション能力が下がっていると大人が叫ぶ。その為には絵本を読んで聞かせて、面と向かって話し合って、朝ご飯は家族全員で食べなければならない。

何か違わないだろうか?いつも危険を察知しているのは大人。子供達を守るのは大人。ではいつ子供達は理解するのだろう?自分を。いつ自立していくのだろう?

問題なのは型ではなくて、技術ではなくて、心なのでは?コミュニケーションなのでは?

子供達はコミュニケーションに飢えている。大人達の遊び心ではやっているSNS。一般的には18禁のはずなのに・・・もう子供達は携帯の中で、やり まくっている。「モバゲー」はゲームのサイトだけど、最もはまっているのが、こうしたコミュニテーションツールとしての活用だろう。「モバゲー」知ってい る?というテーマで友達同士が繋がる。見えない友達とも繋がる。でも携帯の中は直感的な言葉の世界だから、なかなかうまく伝えられないことも出てくる。そ んな関係をを放りっぱなしにしてしまっていることが問題だ。「もうひと言付け加えていれば、感情を害さなかったかも」なんていう言葉の使い方は大人のメー ルの中でもたびたび遭遇する。子供だからって体験を禁止されるのはどんなものか?携帯持ち込み禁止の学校は意外に多い。

いじめの質も変わった。大人も企業内でのいじめをメールでやってくる人間もいたっけ。だから子供を責められない。一億総人口コミュニケーションべたなのでは?

言葉を丁寧に、誤解のないように、自分の思いを相手に伝えること、そんな体験を数多く、子供達と一緒に実践していける学習環境を創り上げるべきだと思う。

BBCoach Project(http://bbcoach.mnw.jp)はそうした学習環境を目指している。一人一人が自立した人間として子供も大人も参加できるコミュニティだ

某高校SSH運営委員会

「スーパーサイエンスハイスクール」というのをご存知だろうか?
「この学校は理系の学習に力を入れています!」というのをアピールできる企画。科学技術振興機構というところが恐らく文部科学省の予算を学校に配布して、 特別授業を実施させるというもの。配布されるには校長生成の緻密な企画書が審査される。つまり第一段階では校長生成の資質が問われるという仕組み。
いつの間にかSSHの学校にされてしまった現場の先生方はとっても悩む。生徒も余計な学習にチャレンジしなくてはならなくなってまた悩む。みんな忙しい忙 しいと言いながら、「報告」しなければならないから、次のプロジェクトの予算が取れないからという理由もあるのか、一生懸命創意工夫して授業を展開して、 報告書を作成するわけだが、これがとてつもなく大変な作業量だ。
それでも戸山はすごい!とんでもなくすごい授業が目白押し。先生方の力量がやはり違うのか。相当張り切って授業展開しているので、公開授業もなかなか面白い。生徒もプレッシャーを感じながらも、ついて行っている。さすが我が母校!(私はしっかり文科系だだけど。)
長瀞の地学巡検をテーマに、一年生が講堂でグループ発表をしていた。生物の時間に生徒一人一人にテーマ持たせて、研究を促している授業もあり、通常より実験時間を多く仕組んでいる化学の時間も拝見させていただいた。
ちょっと心配だったのが、本当にこれで子供達の自立的学習が身に付くかという問題。もちろん若いうちからトレーニングを積んで、すばらしい科学者を育成す るというのがこのプロジェクトの目的だが、何かとても詰め込みすぎている感じがしてならない。そこに子供達の自主的な学習が本当に起きているのかどうかの 検証はまだされていない。先生方のマスターベーションと言ってしまえばそれまでだが・・・
これを回避するにはどうしたら良いか。私が今まで実践してきた方法を使ってくれれば良いのではないかとふと考えた。
まず、先生方も参加型のコミュニティーをネットで形成する。そうすると縦割りで、隣の先生が何をしているのがわからなかった先生方の情報交換が可能にな る。つまり、子供達が似たような課題をあちこちでやらされるという過重負担を防ぐことが可能だ。本来ならオープンコースウェアーにして「公開」すべできだ ろう。なにしろ、税金で実施されているプロジェクトなのだから。
次に、子供達の学習のログをきちんと残しておく。しかも、学校全体で共有できるように。現状では担当の先生方までで、細かい情報はなかなか取得できない状態。これではせっかくのすばらしい授業の体験も後輩達には全く伝わらない。
さらない。「公開」を目的とした子供達の作品、コンテンツの発表とデータベース化。これは学校の資産になる。
私がこれまで関わってきた授業、学校運営は以上の方法を徹底的にやってきた、そこまでする必要はないのではと、仲間の教員に指摘されたりもしたが、その意味は本当に大きな物だと実感した。どれ一つとっても今の学校の現場には実現できていない。

最後に、このプロジェクトに起因すると思われる、子供達の体の異変が起きているそうだ。蕁麻疹が4名出ている模様。これは問題だ!と指摘する先生方 はいたが、ではいったいどうするかという回答が出てこなかった、運営委員の方でも、ある程度のドロップアウトは仕方ないという声も上がったのだが・・・私 はそうは思わない。
パッケージ型、紋切り型の授業する為に、こうした予算が降りているとはとても思えない。こういう問題にぶち当たった時の次の戦略を開発する為に、こうした試みがあって欲しい。そう願うのは変人だからなのだろうか?