Zudeを慶應義塾大学理工学メディアセンターに紹介

zude慶應義塾大学理工学メディアセンター市古みどり理事長にZudeを紹介するお時間をいただいた。総務の上岡様にもご紹介できた。

とても便利なMash Up Toolであることはご理解いただけたようで、いろいろとご助言いただけた。慶應としてももっと上層部で取り上げるべき主題なのではないかともご提言いただき、私たちも勇気づけられた。ぜひ理事の方々等にもご紹介していきたいと思う。

慶應義塾大学は現在150周年記念事業を展開している。こうしたプロジェクトの広報ツール、プロジェクトをまとめあげる為のサイト運営などにも活用できるのではないか、また他大学との共同プロジェクトや、学内の情報の集約サイト、さらには産学連携プロジェクトで様々な実績が公表されていく中でのポータルサイト作り等にも活用できるのではないかという積極的なご意見が出た。

また、新しく日吉に開講される、大学院メディアデザイン研究科などでも積極的に取り上げたら面白いテーマになるのではないかというアイデアをいただいた。このあたりも私たちも積極的にアプローチしていきたいと願っている。

何かが起こりそう、そんな予感を得られたひとときだった。

慶應義塾大学の情報リテラシー授業の実践事例

CTCアカデミックユーザアソシエーションのカンファランスを覗いて来た。
滝島繁則さん、お声をかけていただきありがとうございました。
CTC: http://www.ctc-g.co.jp/
CAUA: http://www.ctc-g.co.jp/~caua/event/6th-bunkakai/index.htm

慶應義塾大学 理工学メディアセンター
事務長 市古みどり氏
の発表で慶応義塾大学が取り組んで来た、情報リテラシー教育の一端をかいま見ることができた。
http://project.lib.keio.ac.jp/kitie/
ではこの情報リテラシー教育の授業コンテンツが公開されている。
他の大学の情報教育にも活用されているということだ。
早速私の運営している無料学習環境01 Virtual School、及びK-12 OCW Server Japanからリンクをはらせていただいた。

特筆すべきは、図書館の司書という一般的に言うと、大学スタッフ側が講義を展開できたという点かもしれない。講演の後の質問にもそのような発言が大 学の教員側からあった。つまり大学の教員とスタッフとの間には厳然とした壁が今も存在していることが露呈されたということだろう。

しかし、私が学生の時から慶應の文学部には図書館情報学科が存在し、そこからはハイレベルな人材が輩出され続けていることを考えると、図書館司書という仕事が大学のサービスとしては重要な働きをしているということは容易に推察できる。

振り返ってみると、大学で一番覚えた事は、図書館を中心とした情報へのアクセス方法、そして活用方法だと思う。現在ではそれに加えてインターネットでの情報検索術という技も加わって来ているのだろう。

スタッフでも教員でも学生にサービスを提供している立場は変わりない。こうした組織の壁をとっぱらって、最高のサービスをどのように提供していく組織作りをしていくかが、今後の大学の質にも関わってくるのではないだろうか。
最近、大学の理事長さんとの会談も多くなってきたので、今後はそのあたりの話題も展開してみよう。

よく考えてみると、私の構想しているバーチャルスクールの学習コーチという職業も、情報への灯台や羅針盤の役目をしているのではないかと思う。今後もこうしたサービスを中心に子供たちに質の高い学習環境を提供していきたい。

理想のe-Learning

慶應義塾大学150周年記念未来への先導基金
2007年度プログラム
「見る、会う、語る アジアの友だちプログラム
-未来のグローバル・リーダーを育てる
アジア交流プログラム」
に協力することになりました。
http://keio150.jp/project/programs/a.html

日本の中学生とアジアの子供達をGIS(地図情報システム)学習を通じて、交流授業を行います。

私が提案した、ウェッブ会議システムとIPTVシステムが採用されます。

リアルな学習とネットをフル活用した学習環境をミックスした、理想の授業のご報告ができると思います。

慶應義塾「アジアのともだちプロジェクト」

GISのプロジェクトをボランティアで活動してきたが、その延長線上で面白い企画に参加できそうだ。

慶應義塾普通部を中心とした
創立150年記念未来先導基金による2007年度プログラム
「見る、会う、語る アジアの友だちプログラム
-未来のグローバル・リーダーを育てるアジア交流プログラム-」
GISの授業を通じて、アジアの学校とのコラボレーション授業を展開していくというもの。慶應義塾普通部社会科の太田先生が中心となり、私の後輩でもある 英語科跡部先生にも協力いただく。e-Learningの視点で私はバックアップ体制に入るということになりそう。強烈なチームが形成された感じがする。 フェリス女子大学の内田先生、インターワークの石川さんもGISプロジェクトの流れで参加。慶應150周年記念事業としてはずかしくない業績を残したいと 思う

慶應義塾SNS

ekeioというSNSサービスに登録しました。
こちらのサイトでもよろしくお願いします。
http://www.ekeio.jp/
http://blog.ekeio.jp/i01coach/

HUMI Projectの10年

もう10年も経ってしまったのですか。インターネット草創期からのプロジェクトです。
7億円で慶應がグーテンベルグの聖書を購入して始まったこのプロジェクト、私の恩師の高宮教授が中心に活動しているプロジェクトということもあり、久々に大学を訪問してきました。

10年間のインターナショナルな活動が実を結び、図書館、大学等のプロフェッショナルからの評判を戦略的に勝ち得たプロジェクトに発展しています。

Humanity Multimedia Interfaceという名付けの親が高宮教授だったという裏話も高橋名誉教授からお聞きすることができました。

また、このプロジェクト通じて、福沢諭吉先生がFukusawaというようにsaを使って日本語の「ざ」を表していたサインを使っていたという発見もありました。蘭語を学んでいた福沢先生らしいサインの仕方という見方もあります。

若手の研究者の活動の場にも繋がっているようです。しかも学部を超えてのコラボレーションが起きている事はとても意義のあることだと思います。
午前中最後の発表は文学部と理工学部の共同研究という形で、文字認識システムによる、聖書の分析手法の発表がありました。文学部からはなかなか技術を追え ない部分の研究が理工学部では初歩的な研究であることもわかりました。このあたりは、横断的な研究をもっと積極的に押し進める事が必要であると痛切しまし た。もっと早く結論が出せたはずです。

一方で、最近ではコンピュータではまだ人間のせいぜい幼稚園児の知能程度しか勝ち得ていないという論もあるようですが、コンピュータを活用した学術 的アプローチには限界があるのではないかとも私は思い始めています。だとしたら、デジタルアーカイブの研究というのは何を到達点として研究の価値があるの かを今一度見直す必要があるということです。

確かに、それまでアナログで研究してきた研究者にとっては、圧倒的な労力を削減する手段にはなるわけですが、それはあくまでも技術が解決してくれた 産業上の効率性があがったということに他なりません。つまり問題はこれからなのでしょう。時間がかかる作業から人間が解放された時に、一体人間は何を見つ けられるのか。このあたりを見据えた今後の研究が期待されるわけです。

一方で、このプロジェクトが始まってから後に出現してきたグーグルの話も出てきました。この点は単に歴史的事実として放っておくにはもったいない情 報だと思います。もっと突っ込んだ議論が必要だと思います。グーグルの企業姿勢と一般的に行われている大学でのIT技術を活用したプロジェクトでは立ち位 置で大きな違いがあるからです。(もともとはグーグルも大学のプロジェクトだったのかもしれませんが。)

グーテンベルグの聖書はメディア革命の象徴です。グーグルについても同じ事が言えるでしょう。彼らは既存のメディアをも包括して変革してしまう程の 力を持ち始めたと言えます。つまりネット革命がメディア革命に繋がっていることを意識しているか否かです。大学での研究はもっと公開されるべきでしょう。 一部の図書館、大学、知識階級に公開されて認められたという視点ではグーグルにはなれないわけです。

今後どのようにこのコミュニティを拡げて行くのか、このプロジェクトを通じて、大学を世界的なメディアにできるか否かは、今後の大学の経営者、研究者に課せられた大きな目標になるのかもしれないと、実はこのプロジェクトが起きた10年前から考えていた私の私見です。

オープンコースウェアーの活動もこのプロジェクトの兄弟プロジェクトで動き始めていますが、このあたりがもっと力を合わせて活動して行って、世界をリードするコンテンツが慶應からフリーで発信されることを期待しています

JOCW

日本オープンコースウェアーコンソーシアム
http://www.jocw.jp/

MITがカリキュラムや授業ノートを公開しているのはみなさんもご存知だと思う。これはその日本版。しかしひとつの大学のプロジェクトではなく、日本の一流どころの大学が揃って少しずつ始めているのが特徴だ。

慶應義塾大学のDMC(デジタルメディアコンソーシアム,http://www.dmc.keio.ac.jp/)のe-Learning担当の福 原教授を訪問した時にご紹介いただいた。福原氏は日本イーラニングコンソシアム(http://www.elc.or.jp/)の理事でもある。

確かに、日本の有名どころの大学が連携して情報を公開していっているという作業は、かなりインパクトがある。米国ではMITが走りすぎて他大学がつ いてきたいないからだ。しかもこのデータはNIME(http://www.nime.ac.jp/)の力で現在国の予算を使ってメタデータを入力してい る最中だとのこと。つまりデータベースとの親和性ができてくるということだ。SCORMにも対応していくという方針で、e-Learningのコンテンツ にもなっていく可能性がある。その将来図としては、無料のコースウェアーのマーケットと有償のサポートサービスで学位を取得するマーケットが融合してくる という話。つまり今のコミュニティサイトやSNSのビジネスモデルの発展系か。無料のコンテンツにむらがる潜在顧客、そこに対するAIを活用した広告マー ケッティング、さらには人のサービスとAIによるサービス。そんな図式が思い浮かべられる。

私からは、日本が世界に勝てる仕組みとしての、動画の活用と携帯コンテンツの活用を提言しておいた。融合すると世界をリードできるプロジェクトに発展していくかもしれない。

慶應義塾大学デジタルアーカイブ・リサーチセンター成果報告シンポジウム

慶應義塾大学デジタルアーカイブ・リサーチセンター成果報告シンポジウム2
HUMIプロジェクトのいま—貴重書のデジタルアーカイヴと応用
2006年2月9日(木)13:00〜18:00
慶應義塾大学三田キャンパス北館4階会議室

主催:慶應義塾大学デジタルアーカイブ・リサーチセンター
協力:アート・ドキュメンテーション学会

というシンポジウムに参加してきました。
とても刺激的なお話を伺う事ができました。

13:00 あいさつ  鷲見洋一(慶應義塾大学文学部教授、DARC研究代表者)
HUMI Projectとしての5年、そしてその後の5年の組織についてお話いただきました。

13:10 趣旨説明  高宮利行(慶應義塾大学文学部教授、DARC研究分担者)
文科省の協力もいただいたプロジェクトの5年目の総仕上げの会であることをご説明いただきました。

第1部:事例報告
13:20 樫村雅章(慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構助教授、DARC研究分担者)
「海外研究図書館との貴重書デジタル化協同プロジェクトの実際」
高度な機器類を駆使しての、貴重書のデジタル化をするにあたっての、実際の業務フロー、現場の情報を詳細にご報告いただきました。

14:10 松田隆美(慶應義塾大学文学部教授、DARC研究分担者)
「初期印刷本のデジタル研究環境−XMLによるコンテンツ化と書誌学支援アプリケーションの開発」
XMLデータを実際に作り込んでいる様子をご報告いただきました。メタデータの詳細の発表がありました。

15:00〜15:20 休憩

15:20 石川透(慶應義塾大学文学部教授、DARC研究分担者)
「奈良絵本のデジタル化と研究環境」
個人で入手可能なデジカメでの海外に散財する貴重書のデジタル化の様子をみせていただきました。ヨーロッパはなかなか許可をいただけない所が多いけど、米国は割と簡単に許可をいただけるという情報を提供いただきました。

16:10 徳永聡子(慶應義塾大学文学部講師、DARC研究支援スタッフ)、
入江伸(慶應義塾大学メディアセンター)
「慶應義塾大学メディアセンターにおける貴重資料のデジタル情報化と公開」
メタデータを利用した公開の方法をご提示いただきました。

16:40〜16:50 休憩

第2部:総括討論  16:50〜18:00

提題「国際連携と研究環境の革新をめざして」高宮利行
学位が授与できるような組織作りのご提案がありました。

パネリスト:村井純(慶應義塾常任理事)、西村太良(慶應義塾常任理事)、鷲見洋一、および、第1部の事例報告者
コーディネーター:高宮利行

メタデータをつくる際のメタデータの整理。つまり完成品でけではなく、その作業の記録が大きな意味を持つ(鷲見)。
時間と空間を開放するインターネットだが、逆に時間と空間の意味がデジタルデータについてくると、さらなるデータの質の向上が得られるという視点(村井)。
等が印象に残った発言でした。

全般的に、
今後こうした活動をどのように公開していくかが問題だと考えられます。
「メタデータのメタデータ」とても大切な概念で、デジタルデータを作り上げる際の記録はとても貴重なデータになるはずです。たとえば、今回のようなシンポ ジウムが公開であったのと同時に、公開の枠をインターネットで拡げて、シンポジウムの動画配信なども考慮にいれるべきでしょう。後日PodCasting しても面白いかもしれませんが、そうした配信をも考えた上でのコンテンツ作成(照明等の検討)も必要でしょう。

また、今後ウゥブなどでの公開も検討されているようですが、公開時のアプリケーションを世界共通かする努力も必要になると思います。貴重書データの配信用のiTunes等のソフトが開発されることを望みます。