象の背中

銀座で舞台挨拶付きで鑑賞して来ました。

肺がんで亡くなる父親とその一家の話。秋元康氏の産經新聞での連載を映像化したものです。もう殆どずるいとしか言いようがない作品です。どの年齢層の心にも響くような登場人物の設定と、誰にでもいつでも起きうる状況設定ですので。

一方で、泣く場面が多すぎるので、作品全体の起伏が少なくて、どこが良かったのか、後で考えるとわからなくなります。あまり脚本に工夫はないかも。

私の場合はもちろん年齢設定が一番近い主人公に感情移入してしまいましたが、主人公と兄貴の二人のシーンが良かったです。亡くなる主人公が死後の家 庭の金銭状況を計算して、縁を切った故郷の長男を頼って父親の遺産を家族に渡して欲しいとお願いした後、入院したホスピスに兄が訪問してくるシーン。それ まで死と向き合って毅然と向き合っていた主人公がつい吐露してしまいます。「まだ死にたくない」と。男としていろいろ周囲を気にしながら、最期を迎えよう と準備していたはずなのに・・・ついね。本音が出てしまった。スイカを食べながら兄貴と泣き笑いしていたシーンにぐっと来ました。

それにしても、役所広司の演技がすばらしい。何か賞を取って欲しいですね。

産經新聞の連載だったのに、フジテレビが応援しないで、 テレビ朝日がバックについていたのは意外でした。フジテレビはこの秋Heroを中心に宣伝攻勢かけていたからかもしれませんね。日曜洋画劇場の前後での宣 伝はみたけど、後は殆どこの映画の情報は入ってこなかった。当日行くまでどんな映画かわからずに、友人に誘われて行きましたので。でもとても良い映画でし たので、恩返しとしたブログに記載させていただきました。ロングランになると良いですね。

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