都立戸山高校卒業式

都立戸山高校の卒業式に招待された。
一年間、学校運営連絡協議会協議委員の委員として会議に参加して来たご褒美だ。
というのも戸山高校は私の母校だったから。私にはとても貴重な体験だった。
29年前に卒業して以来の戸山高校の卒業式である。

前半のセレモニアスな式はさほど感動はしなかったが、佐藤校長のメッセージが生徒の戸山での生活を良く把握している話であるのが印象深かった。

この学年の一年生の時の運動会は大雨だったようだ。それでも頑張って最後まで続けた彼らの努力は、いかにも学生主体でイベントを運営する戸山高校の自主自立の精神が反映された結果だったのだろうと推察される。

さらに感動したのは、卒業生のコメント。通常は卒業生代表は一人だと思うが、今回は4名の生徒が思い思いの気持ちを伝えてくれた。しかし、共通して 出てくるコメントとして、これも伝統に根ざしたイベントであるが、文化祭である「戸山祭」の話題が中心となっていた。30年前と全然変わっていない戸山の 校風をかいま見ることができた。

ここで、「戸山祭」について少し語っておこう。
一言で言うと文化祭である。昨年の秋の「戸山祭」も少し見せていただいたが、現状では一年生が展示、二年生が演劇、三年生が映画というコンテンツをクラス 単位で製作して発表する場だ。もちろん文科系のクラブ活動の発表の場でもある。私たちの頃も似たような感じだったが、私の場合一年生で演劇、二年生、三年 生で映画を製作した。これも生徒の自主的な運用ができる利点だ。

協同でもの作りをして行く体験はとても大切なものだと思う。私の今やっている活動自体もこの「戸山祭」の精神が宿っているのではないかとも思う。ア プローチの仕方として、私はデジタルの世界を中心には考えているが。そういえば、先日も協同教育学会で発表をさせていただいたっけ。

「戸山祭」は秋に行われる。つまり、高校三年生の夏休みはこの「戸山祭」の総仕上げの年にあたるので、必然的に勉強を取るか、文化祭を取るかなどの選択肢を迫られる訳だ。私はもちろん文化祭を取って、見事に一浪したのだった。

それでも、その伝統はいまだに継続している。そして卒業式の感動的なコメントの中にもそれは色濃く出て来ていた。そんな現役の生徒達を見ていて、久しく忘れていた自分の高校時代を彷彿とイメージする時間となった卒業式は私に取ってすばらしい体験になったわけだ。

高校にはすばらしいコンテンツがある。それは先生方の教育指導という方もあるかと思うが、私のこの生徒達自らが生み出す青春のコンテンツが、学校の 一番大きな資産なのではないかと感じた。こうしたコンテンツを学校に残して行く作業をデジタルで推進できないだろうか?伝統を生み出すデジタルコンテンツ は、学校の中にたくさんころがっているように思えてならない。

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